アウトドアで料理を楽しむ際、ぜひ持参したい調理器具「クッカー」。軽量化を図るため、その多くがアルミ製ですが、それ以外の素材のものもあるようです。その違いと使用後のお手入れ方法について、スウェーデンの老舗メーカー「トランギア」を展開するイワタニ・プリムスの広報担当・鈴木伶氏に、解説してもらいました。
熱伝導率が高いアルミ製のものが主流
アウトドアに出かける際には、できるだけ荷物を軽くするのが基本です。したがって、調理に必要なクッカーも軽量化を図るため、アルミを使用したものが主流です。
「トランギアのクッカーも、9割以上が軽量で薄いアルミ素材のものです。アルミは熱伝導率が高く火が通りやすいので、お湯を沸かしたり、調理したりする際により短い時間ですみます。
ただし、すぐに熱くなるため触るとヤケドしやすく、薄くて外からの衝撃に弱くへこみやすいので、扱う際には注意しましょう」
煮込み料理には保温性の高いステンレス製も
アルミ以外の素材を使ったクッカーも存在します。
「アルミは熱伝導性が高く、早く熱くなるのがメリットですが、その分、外気からの影響も受けやすく、特に冬場は早く冷めてしまいがちです。その点、熱伝導性が低いステンレス素材のほうが保温性は高く、長い時間をかけて火を通したい煮込み料理などに適しています。
そこで、トランギアでは一部、内側にステンレスを使った鍋を用意しています。シチューや煮込みなどを作るのに最適です」
「ツンドラ3 デュオーサル」のソースパンは、熱伝導率の高いアルミを外側、耐久性の高いステンレスを内側に使用した二重構造になっていて、火の回りのよさと丈夫さを兼ね備えています。
【データ】
■ツンドラ3 デュオーサル
参考価格:1万3200円(税込)
重量:738g
サイズ・容量:収納時/φ20cm×9cm、フライパン/φ20㎝×3.3cm、ソースパン/1.5ℓ・1.75ℓ
素材:アルミ(ソースパンは内側のみステンレス)
付属:フタ、ハンドル、ハンドルカバー、収納袋
https://www.iwatani-primus.co.jp/products/trangia/kettles-cookers/tr_tundra3_duo.html
このほか、アルミより薄くて軽く、硬度や耐久性が高いチタンを用いたクッカーもあります。より軽さを追求する「ウルトラライト志向」にマッチするものです。ただ、チタンは熱が均一に入りにくく、コスト面でも難点があるので、トランギアでは現在作っていないそうです。