まちの公園ではボール遊び禁止、「大声を出さない」などの注意事項が増えている今、親子で悩まされがちなのが「子どもの遊び場問題」です。
「外で思い切り遊びたい!」「できるだけ自由に遊ばせたい」そんな親子の願いをかなえるのが相模原市にある「つちざわの森」。今や貴重となった、子どもの〝冒険遊びの場〟です。
地域の人々の手によって守られてきた自然豊かな森
都心からクルマで約1時間、神奈川県北西部に位置する相模原市。東京都に隣接し、大型ショッピングモールなども多く都市機能が充実していますが、じつは市域の約3分の2は「山林」なんです。市街地から5kmも離れれば、目に入ってくるのは里山の風景。穏やかで、のどかな雰囲気が漂います。
今回ご紹介する「つちざわの森」は、相模原ICから車でわずか5分、津久井湖のほど近くに位置します。戦前までは実際に〝雨乞いの儀式〟が行われていたことに由来する雨乞山(あまごいやま)の麓、13ヘクタールにわたって広がる里山です。
雨乞山の頂上では早春には河津桜が咲き、夏は新緑、秋は紅葉と四季折々に美しく、冬も日差しがたっぷりと入る明るい森。つちざわの森がこうして豊かな森として今あるのは、子どもの遊び場づくりを進めてきた地域のお母さんたちからなる「土沢森あそびの会」、森を保全しながらマウンテンバイクコースを作るライダーたち、そして地域の人々によって保全活動が続けられてきたからです。
焚き火・木登り・薪割り……森の中で自由に遊ぶ
そんな「つちざわの森」では、2021年から合同会社ヘリテッジキーパーによる「つちざわ森あそびの日」が、毎月第3日曜日に開催されています。
参加はどなたでもOK! 森の中ではマウンテンバイクや薪割り、焚き火を楽しむもよし、何もせずにのんびり過ごしてもよし。手作りの滑車ロープやハンモックなどもあります。
特別な遊具はありませんが、木登りをしたり、枝で何かを作ったり、その場の環境を活かして思い思いに遊ぶ。自然の中で、自分たちの発想力を活かして遊ぶ生き生きとした子どもたちの姿を見ることができます。