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初代三菱パジェロが日本自動車殿堂2023年度歴史遺産車に選定

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1982年に発売された三菱自動車の初代パジェロが、日本の自動車史に優れた足跡を残した名車として、2023年度の日本自動車殿堂歴史遺産車に選定されました。10~20代などの若い世代の方にとっては、あまり馴染みのないクルマかもしれませんが、モータースポーツ不毛の地といわれるこの日本で、「パリダカ」(パリ-ダカールラリーの略称)の存在を知らしめたのが三菱パジェロです。

オフロード4WDの象徴であったパジェロ

1980〜90年代にかけてはバブル期の最中、RV(レジャービークル)ブームが訪れました。それはウインタースポーツのスキーを始め、90年代に入ると日本にも第一次キャンプブームが到来。もちろん、このブームをきっかけに2代目パジェロが大ヒットを記録したほどです。現在のアウトドア&キャンプブームに先鞭を付けた時代であったといえます。

とくにバブル期絶頂の1980年代は、クルマに疎い人たちから他銘のオフロード4WD車(現在のSUV)が「パジェロ」と呼ばてしまうほど、オフロード4WD=パジェロという誤った認識がまかり通っていたのもこの時代であり、それだけパジェロが大ヒットした証といえるエピソードです。

実際に、時代を席巻した初代パジェロはRVブームや4WDブームの牽引役として確固たる地位を確立し、2021年の生産終了までに4世代で累計325万台が生産され、170カ国以上に輸出されたことで、三菱車として世界中のファンに親しまれたクルマでもあります。

2代目の登場でさらにパジェロ人気が爆発

1991年に2代目パジェロが登場すると、さらに日本国内で大ヒットを放ち、兄弟車として軽自動車の「パジェロミニ」(1994年発売)、コンパクトSUVの「パジェロジュニア」(1995年発売)、1998年にはパジェロジュニアの後継モデルとして「パジェロイオ」をラインアップ。本家パジェロ同様に若い世代から人気を博し、各モデルともに街中で見かけるコンパクトSUVとして三菱ファンだけでなく、東北地方や北海道といった積雪地帯ではまだまだ現役バリバリの個体も沢山存在します。

パジェロといえばパリダカは切っても切り離せない

パジェロとモータースポーツを語るうえで忘れてはならないのが“世界一過酷なラリー”といわれ、フランスのパリを出発し、アフリカのダカールまで走破するのが、パリ-ダカールラリーです。

三菱は初代パジェロが発売された翌年の1983年から参戦しており、1985年には日本車初の総合優勝を果たすと、2009年まで計26回参戦し、7大会連続を含む通算12回の総合優勝を飾り、走破性と耐久性の高さを超過酷なモータースポーツの場で実証しました。これらモータースポーツで培ったノウハウはパジェロをはじめとする市販車の商品力強化に活かされ、4輪制御技術や耐久信頼性技術は、三菱自動車らしさを構成するコア技術として、現在のクルマづくりにももちろん受け継がれています。

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