中国を代表するミックススパイス、五香粉(ごこうふん、ウーシャンフェン)はどんな料理にも合わせやすい、使い勝手の良さが魅力。五香粉に含まれるスパイスのうちのひとつ、八角は、独特の甘い芳香で食欲を刺激します。その香りを堪能したいなら、麺料理がいちばん! おなじみのメニューに加えるだけで、五香粉の実力を感じていただけると思いますよ。
寒い日にハフハフいいながら食べたいほっとする味【麺線】
麺線(ミェンシェン)は、台湾のソウルフードとして知られる屋台の定番麺料理。そうめんに似た細麺を、とろみのある鰹だしベースのスープで煮込んだもので、さながら台湾風にゅうめんといったところでしょうか。
現地では牡蠣やホルモン、豚足などを乗せて提供されるところも多いですが、ここは具材なしでシンプルに。また、調理の手間はなるべく省きたいので、温かいつゆと煮込むだけでOKのゆでそうめんを用意しました。
鰹だしのほかに、隠し味でオイスターソースも加えました。
茹で上がったら器に入れて、食べる直前に五香粉をひとふり。ふわっと甘い香りが漂います。
五香粉のおかげか、鰹の旨味がより引き立ったように感じます。そして、食べ進めているうちに体がぽかぽか温まってきました。とろみがついているだけでなく、スパイスの効能もあるかもしれません。朝晩のよく冷えた日に食べたくなる麺料理です。
最後の一滴まで飲み干したくなるスープが最高【マルタイラーメン】
九州の人なら誰もが知っている「マルタイラーメン」は、今や全国区で人気がある商品。かさばらなくて調理が簡単、しかもおいしいということで、キャンプや登山のときに持参する方も多いのではないでしょうか。
そんなアウトドアの強い味方、マルタイラーメンに五香粉を入れたらどうなるのでしょう。
でき上がったマルタイラーメンにネギや青菜、メンマのほか、台湾風煮卵の茶葉蛋(チャーイエダン)もトッピングしました。あとは五香粉をかければ完成です。
まずはスープを一口。おぉ! と思わず唸ってしまうほどの素晴らしい味。ポークとチキンをベースにした風味豊かなあっさりしょうゆ味とのことですが、ここに五香粉が加わると奥行き感が増します。
麺や青菜との相性もいいのですが、茶葉蛋やメンマがまた、美味なる変化球ラーメンには欠かせない名脇役としていい仕事をしてくれます。