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不気味な吸血生物「ヤマビル」を寄せ付けない! 敵の特徴とベストな対策術を専門家に聞いてみた

楽しい外遊びはソトラバで。アウトドアWEBメディア Soto Lover

  • ヤマビルファイターを靴にかける
  • アウトドアショップに並ぶヤマビルファイター
  • ヤマビルファイターを長靴にかける
  • ヤマビルファイター
  • コケの上にいるヤマビル
  • 落ち葉の上にいるヤマビル
  • イカリ消毒特販部の佐竹宏康さん

アウトドアで出会いたくない虫は数多くいますが、なかでもかなり上位にランクインするのがヤマビルです。

吸血されるとその後も咬み跡から出血が続き、かゆみや腫れを引き起こすこともあります。何より得体の知れない生物に咬まれたことがショックで、せっかくの自然を楽しめなくなってしまうかもしれません。

ヤマビルはどんな場所にいて、どんなふうに人を襲うのでしょうか。また、吸血されないためには何に気を付けたらいいのでしょうか。

今回は、ヤマビル用忌避剤「ヤマビルファイター」を製造・販売する、イカリ消毒特販部の佐竹宏康さんに、ヤマビルの生態と咬まれたときの対処法について教えていただきました。

ヤマビルっていったいどんな生き物?

社名になじみがある人は多くないかもしれませんが、実は環境衛生の分野では国内トップクラスのシェアを誇る「イカリ消毒」。業務用の殺虫剤を製造・販売している国内有数の殺虫剤メーカーです。アウトドアに適した商品もいくつかあり、山好きの佐竹さんは週末よく山で過ごして、自社商品の使用感を試しているそうです。

そんな佐竹さんに、どのぐらいの頻度でヤマビルに遭遇するかを伺ったところ、「割とよく会います」という答えが返ってきました。

「ヒルがいる山に行ったことがある人は、みんな経験していると思います。靴下の中がなんだかグニュグニュすると思ったら、吸血されていたということはよくあります」(佐竹さん)

なんとも恐ろしい話です。

ヤマビルは陸にすむヒルで、大きいものは体長6cmほど。体に3本の線があるのが特徴です。落ち葉の下や沢の水際など、湿気の多いところに生息し、しゃくとり虫のように進んで、意外なほど素早く移動します。

「ヤマビルが活動するのは6~10月ごろです。地表の気温が10℃を超えると動き出し、20℃を超えるとかなり活発になります。ひと昔前は標高1000m以下にしかいないと言われていましたが、最近は気温が高くなったせいか、1000m以上で見たという話もよく聞きます」(佐竹さん)

ここ数十年の間にヤマビルの生息範囲が広がり、全国的に吸血被害が増えているとのこと。山登りだけでなく、ハイキングやキャンプ、釣りなどでも遭遇する可能性があります。具体的にはどんな場所で気を付けたらいいのでしょうか。

「ヤマビルは基本的にシカに寄生していて、シカが水飲み場としているような場所によくいます。生息地域を知りたければネットで調べると、目撃情報がたくさん出てきますよ」(佐竹さん)

これから出かける予定があるなら、その場所でヒルの目撃・被害情報があるかどうかをチェックしておくといいでしょう。きちんと対策をしておけば、「背中や首まで上ってきた」「気づいたら靴下が真っ赤に染まっていた」などというホラーな体験をしないで済むはずです。

ヤマビルに吸血されたらどうなる?

ヤマビルは人の呼気に含まれる二酸化炭素や体温に反応して近づくと、足元にとりついてよじのぼり、服の間に入り込んで吸血します。吸血時間は30分から1時間と長いですが、気づかないこともよくあります。それはなぜでしょうか。

「ヤマビルはY字の形をしたカッターナイフのような刃で、皮膚を切り裂いて血を吸います。その際に唾液腺から分泌されるヒルジンという物質には、痛みを止め、血液の凝固を妨げるという2つの効果があります。そのため吸血されても気づきにくく、吸われた後もなかなか血が止まらないということが起きます」(佐竹さん)

なぜ血液を凝固させない必要があるのか、それは摂取の方法に理由がありました。

「ヤマビルは血液を自らの体でろ過し、栄養分だけを摂取します。必要ない成分は排出するので、観察していると皮膚の表面が濡れてきます。血液が固まると排出できなくなってしまうので、ヒルジンの効果が重要なんです」(佐竹さん)

いざ吸血されたら慌ててしまい、じっくり観察する余裕はなかなかないかもしれません。

「吸血された場合、無理やりはがしてはいけないと言われたりしますが、そんなことはありません。すぐにツメなどでヒルをはがし、ヒルジンを絞り出してください。ポイズンリムーバーがあると理想的です。その後、かゆみが出たら抗ヒスタミン軟膏を塗っておきましょう」(佐竹さん)

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