この度、連載コラムを書かせていただくことになりました井上ゆずです。名古屋に生まれ、上京して普通に就職し、異業種転職を繰り返した後、2000年に飼い猫とともにカリフォルニアに。サンフランシスコに始まり、ベイエリア内を転々としながら、生きている間に好きな場所に住みたいと思い、2年前にカリフォルニア州のヨセミテ国立公園の近くに引っ越してきました。今回は、ロングトレイルの魅力について触れたいと思います。
スケールが桁違いの北米縦断ロングトレイル
ロングトレイルという言葉を耳にしたことはありますか? 何日もかけて歩く長距離トレイルのことで、日本でも最近人気とのこと。昔からある遍路道などもロングトレイルかと思いますが、新しいロングトレイルの整備も進んでいるという話です。
アメリカには長距離トレイルがたくさんありますが、世界的にも有名な三大トレイルとして、パシフィック・クレスト・トレイル(PCT)、コンチネンタル・ディバイド・トレイル(CDT)、アパラチアン・トレイル(AT)があります。
いずれもアメリカを縦断するようなルートで、3500〜5000kmという長さです。半年レベルの月日をかけないと、一気に歩けるような距離ではありません。
自然保護の父の功績を讃えたハイカー憧れの「JMT」
PCTは、メキシコとの国境からカリフォルニアを通ってカナダまで延びるトレイルで、リース・ウィザースプーン主演の「Wild(邦題:わたしに会うまでの1600キロ)」という映画で、さらに知名度が上がりました。
このPCTは、カリフォルニアではシエラネバダ山脈に沿って通っていますが、そのうちでも見どころ満載な区間である、ヨセミテ国立公園からホイットニー山までの部分が、ジョン・ミューア・トレイル(JMT)とされています。
自然保護の父、ジョン・ミューアに因んで名づけられたトレイルで、世界中のハイカーが歩きにくる超有名ロングトレイルです。なお、ホイットニー山は、アラスカのデナリ山の次に標高の高い山で、JMTのゴールはその頂上になります。