フランス発のトータルスポーツブランド「デカトロン」。2019年春に日本上陸を果たし、関東では幕張などに出店したが、コロナ禍の影響で2022年に余儀なく全店舗閉店。一方で自社オンラインなどEコマース販売を継続。先取り感覚の鋭い日本のアウトドアスポーツファンの間で信頼を築き上げています。地力を蓄えたグローバルブランドの次なる戦略とは?
登山ファン垂涎の名門ピッケルブランドを蘇生
アルピニストたちの間で語り継がれるピッケルブランドの「SIMOND(シモン)」。アルピニストたちの聖地シャモニー・モンブラン発のピッケル製造は1860年頃始まったと言われていますが、その名を高めたのは1950年代に活躍した登山家たちによるアンナプルナやエベレストの制覇だと思います。日本のアルピニストの間では、シモンのウッドシャフトのビンテージモデルを、いまだに探しているファンもいるほどです。
シャモニー・モンブランにあるデカトロンのクリエイトチームとプロダクトチームが、シモンの築いてきた安全性への取り組みを受け継ぎ、革新性と技術力でデカトロンのグループブランドとしてさらに強化。カラビナやヘルメット、バックパックやクライムシューズなどプロダクツは多岐にわたり、さらなる飛躍を遂げています。
「アウトドアスポーツならデカトロン」が世界では合言葉
先だって東京・代々木の日本法人社屋にて行われた秋冬2023プレスカンファレンスでは、今のデカトロン・ラインアップが展示され、そのワイドレンジな取り組みに改めて驚かされました。
登山、ハイキング、そしてキャンプのカテゴリーでは、フォルクラ、ケシュアの両ブランドを軸に展開。マウンテンジャケットとトレッキングシューズはもちろん、その他小物ウェアにテントなどをディスプレイ。
キャンパーにはケシュアのワンタッチテント2SECONDSが話題を集めそうです。手間のかかるテントの立ち上げは一瞬。紐を引っ張るだけの簡単操作は、これから始めようと思う日本のキャンプビギナーには最適です。しかも携行サイズは59×20×20cmとコンパクトな23.6Lサイズの巾着タイプ。もはやテントの概念が変わります。