全国的にまだまだ暑さが厳しい日本。そんななか9月も中旬を迎え、そろそろ秋キャンプに出かけようと計画を立てている人も多いかと思います。一般的に秋は過ごしやすい季節であり、キャンプするには最適なシーズンとも言われています。しかし、日中は過ごしやすいとは言え寒暖差が大きくなるのもこの季節。しっかり対策してキャンプに出かけることが大切になります。
暖房器具使用の一酸化炭素中毒に注意
少しずつ寒さが厳しくなってくるとベテランのキャンパーであれば、愛用の暖房器具で暖をとる人もいるでしょう。薪ストーブや石油ストーブ、カセットガスストーブなど、燃料を燃やして使用する暖房器具のテント内使用は危険極まりない行為です。寒さ対策で暖房を使うときにテントのシェードを開放したのでは本末転倒。やはりテント内で使用するのであれば電気ストーブであれば安全に使用することができますが、テントの外に煙を排出することができる薪ストーブも比較的安全に使える暖房器具と言われています。ただし、薪ストーブであっても煙突内に煤の詰まりがあると煙が逆流することもあるので、使用する前にしっかり煙突の掃除を行い、連泊で使う場合は都度つど、掃除をしておくと安心です。
もちろん、テント内に一酸化炭素チェッカーを用意しておくことで最悪の事態を回避することができます。一酸化炭素は無色・無臭でガス漏れのように臭いで気づくことが難しく、頭痛やめまい、嘔吐や痙攣などの症状で気が付いたときには、取り返しのつかない状況になることもあるので、最新の注意が必要です。
秋〜冬にかけてのキャンプは低体温症に注意
日中はある程度快適に過ごすことができても、朝晩の冷え込みが厳しくなる10月以降はしっかり防寒対策する必要があります。テントの設営や食事の準備などで動き回っていると、寒さもさほど感じずに過ごせるのですが、食事を終えて焚き火に癒やされながらゆったり寛いでいると、しっかりアウターを着込んでも少しずつ寒さに震えることになります。そこで、ヒートテックやメリノウール素材のインナーを着用し、シャツの上にフリースを着込み、風を通さないアウターを重ね着するとよいでしょう。
ただし、注意が必要で高価なアウターを着て焚き火を楽しんでいると、薪が爆ぜて飛んできた火の粉でウェアに穴を開けてしまうことがあります。そこで難燃素材の焚き火仕様のアウターを着用すると安心です。
また、体温調節機能が発達していない小さな子どもの場合、低体温症になるリスクがあります。震えが止まらなくなったり、意識障害のような症状が見られたら、躊躇せずに救急要請するようにしましょう。
気温が一桁まで下がると寒さで眠れない
日中は15〜20℃ぐらいの気温で快適に過ごしていたのですが、日が落ちるにつれて寒さが厳しくなる山の中のキャンプ。秋キャンプといっても11月入ると、標高800mほどのキャンプ場でも朝晩の冷え込みは厳しく、気温は3〜4℃程度になります。当然、春夏用のシュラフでは寒さを凌ぐことができず、眠れない夜を過ごすことになります。
もちろん、秋や冬のキャンプに出かける回数が多いのであれば3シーズン用のシュラフが必要かもしれませんが、春や夏のキャンプしかしないのであれば、100円ショップなどで手に入るエマージェンシーシートを活用したり、地熱の影響を受けにくいコットを使用する手もあります。その際も銀マットをコットの上に敷き、電源サイトやポータブル電源があれば電気毛布を使うのもありです。
湯たんぽやカイロを使う際は低温火傷に注意
防寒グッズとして湯たんぽやカイロを使っている人も多いことでしょう。確かに温かく、寒さに震えることもありません。しかし、湯たんぽやカイロを長時間、肌に触れて使い続けると低温火傷のリスクがあると言われています。ちなみに45℃程度の比較的低い温度で6〜10時間、50〜60℃で1〜2時間の接触で熱による皮膚への損傷(低温火傷)を受けることがあります。
低温火傷にならない対策として湯たんぽにはタオルを巻き、カイロは直接肌に貼らず、衣服に貼るようにしましょう。