この度、連載コラムを書かせていただくことになりました井上ゆずです。名古屋に生まれ、上京して普通に就職し、異業種転職を繰り返した後、2000年に飼い猫とともにカリフォルニアに。サンフランシスコに始まり、ベイエリア内を転々としながら、生きている間に好きな場所に住みたいと思い、2年前にカリフォルニア州のヨセミテ国立公園の近くに引っ越してきました。今回は、修繕中のキャビンで起こった落雷体験についてです。
ストロベリーの小さな集落でキャビンの修繕に勤しむ
私は今年の春から、シエラネバダにあるストロベリーという小さな集落で見つけたキャビンを修繕しています。ストロベリーは、標高1500mを超える場所にあり、ヨセミテ国立公園から見ると北西に位置しています。
近隣には、大きな湖や川、オフロードやスキー場等があり、一年中、山で遊べるので、普通の家よりもキャビンや別荘が多いところです。
キャビンは、築50年の小さな家で、前の持ち主は近所の古い商店のオーナーでしたので、別荘ではなく一年中住んでいました。
キャビンの修繕作業を阻む落雷の恐怖
何もかもが老朽化していてかなり汚い状態でしたが、外にジャグジーがあり、露天で気持ちよい場所なので、掃除と修繕が終われば楽しい隠れ家になる予定です。
ただ、思った以上に壊れて痛んでいる箇所が多く、壁、床、天井、ドアにバスルーム、外は、デッキやゲートの修繕、空調に煙突などなど、ほぼ全てに手を入れることになりました。
予定も予算もはるかにオーバーして、結局今年の夏休みに貸し出すことはできませんでしたが、ようやく作業も終盤になり、家具を入れ始めていたある日のことです。
天気が良くないなと思っていたところ、雨が降り始め、雷も鳴り始めました。雷は標高が高いせいかとても近く感じます。こだまのせいか、音も爆音で低音が効いており、地響きすら感じます。
初めてのことではなかったので、窓から稲妻も見えるし、近くに落ちているかもなと思いながら、家の中で作業をしていました。
そのとき、私が背を向けていた窓のすぐそばで、ドーン!! という物凄い爆発音がしたのです。思わずヒャー! と声が出ました。音と同時に即停電です。
こ、これは近いんじゃないの!! と思い、外を見ると、うちの目玉のジャグジーがある場所で、ボワッと土埃のような煙が上がっています。
ええええええ! ウチ!? と、動揺しつつ、でも、とりあえず火は見えず、雨も降っていたので、雷が通り過ぎるのを待ちました。