夏休みの自由研究で、自分ひとりでは解決できなかったことはありませんか? 特別企画「ソトラバこども相談室」では、「〝ソト〟の不思議を解決します!」をテーマに、専門家の方々に素朴な疑問をぶつけてみました。「鳥編」では、日本鳥類保護連盟(にほんちょうるいほごれんめい)の岡安栄作さんにお答え頂きます。
鳥の種類だけある個性豊かな巣たち
実は、鳥の種類によって巣に使う材料が異なるそうです。
「これは、モズの巣です。木の樹皮と人工物を使っていますね。ビニールが編み込まれています」
「お次はヤマガラの巣。シジュウカラの巣に似ていますね。多摩の自然が豊かな地域の、あるお宅から提供いただきました。ものすごく分厚いんですよ。これも苔と動物の毛でフカフカにしていますね」
「このヤマガラの巣は、巣箱の中に作られたものです。本当は木の穴の中に巣を作ったりしますが、巣箱を置いておくとその中に作ってくれます。そうすると、こんなふうに四角いきれいな形になります」
巣だけはたくさんあるんですよ、と岡安さん。こども達が実際に触って質感を感じられるように、少し加工して、たくさんの巣が保存されています。
自然界にあるものをなんでも使う!
「こちらは、都会のメジロの巣です。ほうきの材料になる〝シュロ〟の幹の皮をとってきて編み込んでいます。〝ウメノキゴケ〟をとってきて、さらになんと、クモの巣で貼り付けているんですよ! 強度もあります!」
これには思わず言葉を失いました! 巣を見るだけで、鳥たちが自然界にあるもので、なんとか試行錯誤して工夫する様子が観察できるんですね。
「自然界には〝接着剤〟というものがないですから、そのためにクモの糸を選んだんですね。鳥ってすごいなって本当に思います。ある意味、芸術品ですよ」