この度、連載コラムを書かせていただくことになりました井上ゆずです。名古屋に生まれ、上京して普通に就職し、異業種転職を繰り返した後、2000年に飼い猫とともにカリフォルニアに。サンフランシスコに始まり、ベイエリア内を転々としながら、生きている間に好きな場所に住みたいと思い、2年前にカリフォルニア州のヨセミテ国立公園の近くに引っ越してきました。今回は、カリフォルニアの野営事情についてご紹介します。
夏期はキャンプファイヤーが禁止の場所も
キャンプ場は、便利な設備があってテント設営もラクチンですが、アメリカでは、キャンプ場ではない場所でのキャンプ、いわゆる野営も盛んです。周りに他のキャンパーがいない野営は、とても解放感があります。
このような野営は、大きくはDispersed Camping(分散キャンプ)と呼ばれ、公営の土地で、野営が許されているところであれば、好きな場所でキャンプすることができます。バックカントリーキャンプも野営ですので、このDispersed Campingの一種です。
野営のルールは、管轄によってかなり異なるので、事前に下調べしておく必要があります。とくに最近は、キャンプファイヤーについての規則が厳しく、少なくとも夏は禁止です。また、テントを張る場所についても制限があり、有名な湖の周辺等、人が多く入るところは、自然保護のために野営が禁止されています。
申請すればバックパッキングも可能
野営するには、予約や許可が必要な場所と、そのような申請がいらない場所とがあります。公立の公園や森林でバックパッキングをする場合は、事前の許可が必要になります。オンラインやファックスで事前に申請するか、当日に許可を取ることになります。ちなみに10ドル前後の許可料が必要なところも多いです。
ヨセミテ国立公園などの人気のある場所では、歩き始めのトレイル入口を指定して予約します。各トレイルには、一日の人数制限があり、自然の中に入る人の数を制限することで、環境を保護しています。景色がよくて人気のあるトレイルは、予約開始直後に売り切れてしまいますが、逆に、予約さえ取ることができれば、人数制限のおかげで、静かなキャンプを楽しむことができます。
トレイルを歩いていると、時々パークレンジャーに遭遇して、許可証を提示するように言われます。違反をすると、最大罰金5000ドル/6ヵ月投獄というところもあり、厳しく管理されています。