キャンプといえばとにかくごはん! ただ外で食べるだけでもおいしいですが、せっかくなら地元の旬な食材を、その場で食べられたら最高ですよね。
生産者の現場取材&現地で実食シリーズ、産地直〝食〟なソトごはん。今回は、岩手県久慈市の山形町で自然のままにのびのびと放牧された「山形村短角牛」をご紹介します。
「山形村短角牛」とは?
「山形村短角牛」は、自然の牧草と厳選されたこだわりの国産飼料のみで飼育された、赤身のブランド和牛です。
赤身のお肉なので、黒毛和牛よりも低脂肪でヘルシーな味わい。旨味のもととなるアミノ酸をたっぷり含んでいて、より肉らしい旨味を感じることができます。あっさりしていて胃もたれしないので、あれこれと動くキャンプでのBBQにもうってつけです。
山形村短角牛は、とにかく牛が健康でいられるよう、育て方にもこだわりがあるのだとか。今回は、短角牛が育てられている放牧地へ行ってきました。
新緑の季節に放牧! エリート牧場の「山上げ」を見学
放牧のはじまりは、ちょうど放牧地の雪が溶けた頃。
5月上旬に新緑のシーズンを迎えると、冬から春先にかけて生まれた子牛たちは、母牛と共に、山にある広い放牧地に放されます。
これは「山上げ」と呼ばれるもので、牛たちは冬前に里に帰るまで、広大な放牧地のなかで過ごすのです。山形村短角牛は、このような「夏山冬里方式」という放牧方法で飼育されています。
今回取材で訪れたのは、岩手県久慈市山形町にある短角牛基幹牧場。別名「エリート牧場」とも呼ばれる牧場です。
なぜ基幹牧場がエリート牧場……? と疑問に思い、柿木畜産のオーナーさんに話を聞くと、
「ここは血統や体格のよさなどで選抜された〝エリートの牛〟だけが集まる、特別な放牧地。だから、エリート牧場と呼ばれているんです」と教えてくれました。
こちらのエリート牧場。到着して、まずびっくりしたのはその広さです! エリート牧場は、約100ヘクタールもの大きさだといいます。
と、いわれてもいまいちこの大きさがピンきませんね……。
1ヘクタールが100m四方で、おおよそ野球場のグランド一つ分の大きさ。なので、100ヘクタールは野球場100個分くらいの大きさです!
野球に詳しくない人のためにさらに補足すると、東京ディズニーランドが大体51ヘクタールです。つまり東京ディズニーランド2つ並べて、ようやく100ヘクタールくらい。
……ものすごい広さの牧場であることがわかると思います。なんて贅沢なんでしょうか。
この日はちょうど放牧初日の「山上げ」の日だったので、牛舎からきた牛たちがどんどん運ばれてきました。
母牛に加え、かわいい子牛たちも続々と到着。
まずは、一時的に柵のスペースに入れて、その後、牧草地に放つようです。
牛たちは広大な放牧地を目の前にびっくりしたのか、「モ~モ~」と鳴き声を上げています。