連日の猛暑日がメディアに取り上げられる中、週末に涼を求めて日帰りで山を登りたい。関東でこの希望を叶える数少ない山で、埼玉飯能市と東京都奥多摩町の境にある969m標高「棒ノ折山」へ行ってきました。
首都圏ハイカーに人気のゴルジュ(峡谷)で知られる人気の低山
棒ノ折山は標高962mの低山ですが、アクティビティな山として人気です。また棒ノ折山といえば「ゴルジュ」。渓谷に挟まれた岩場ルートはスリッピーで、鎖場やロープ場が続くダイナミックなルートと山頂までのほとんどが木陰の登山道ということもあり、真夏の登山を楽しませてくれました。
【ゴルジュとは】
フランス語で「のど」の意味で日本語では峡谷。切り立った大きな岸壁に挟まれた狭い谷のこと。似た言葉に「渓谷」がありますが、渓谷の幅と比較してさらに深い谷をいいます。大規模なものとしてはグランドキャニオンが有名です。先日NHKで放送されたヒマラヤのセティ・ゴルジュは別名悪魔の谷と呼ばれているそうですが、幅10数mにも関わらず深さは200m以上もあるそうです。
マイカー登山向け大駐車場は、下山後の湯浴みで人気の日帰り温泉場
棒ノ折山のマイカー登山として最大の駐車スペースは、麓に立つ日帰り温泉「さわらびの湯 第3駐車場」です。早朝から山頂を目指すハイカー向けに無料で開放してくれています。40台から駐車可能。
また隣接してバス発着停留所があるため、トイレも完備。清掃も行き届いているので、ここでトイレを済ませておきましょう。この先、登山道はもちろん山頂にもトイレはありません。
さわらびの湯駐車場のほかに有間ダム側からの登山口コース「白谷沢登山口」近くに2ヶ所無料の駐車場があり、合計で20数台が置けるようになっています。ゴルジュを往復するなら、この2ヶ所に駐車できるように、早めの現地着を計画するといいでしょう。
ちなみに、ソトラバスタッフの白谷沢登山口スタートが8時10分で駐車可能台数は1台分でした。
なお白谷沢登山口には登山計画書提出箱が設置されています。必ず提出しておきましょう。登山口からはしばらくは緩やかな登りです。登山道左手からは涼やかな沢の音。木陰の山道は適度な負荷で、いいウォーミングアップになります。
花言葉は「涼やか」のイワタバコとの出会い
続く急登を前に、棒ノ折山のヒロインと出会いました。イワタバコの紅紫の艶やかな花を広げています。山野草ファンでなくとも気がつけば、その出会いに心が和みます。ちなみにイワタバコの花言葉は「涼しげ」。一服の涼に励まされますね。
【イワタバコ】
イワタバコ科イワタバコ属に分類される多年草の1種で、陽の当たらない湿った岩場などに植生。タバコに似た形の葉をつけることから命名されたそうです。夏に葉の間から花茎を伸ばして、星型をした紅紫の花を下向きに咲かせます。イワタバコに見送られながら続く急登をマイペースで登ります。苔むした岩場が目に入ってきたら、いよいよハイライトの「ゴルジュ」です。