夏のレジャーシーズンを迎え、登山やハイキング、トレッキングに出かける人は多いことでしょう。なだらかな山、ある程度傾斜のある山など、目指すところはさまざまでも、意外と普段とは違う筋肉を使うもの。ちょっとした体の事前準備に続き、山での歩き方のポイントや腰痛のケアについて、整体師の高橋さんに伺ってみました。
まずは足の運びを確認!
「山登りのコツは、力まないこと。いかに無駄な筋力を使わずリラックスした状態で、安定的に体を使うかがポイントです。そのために有効な事前準備については前回触れましたが、歩き方のちょっとしたコツをつかめば、疲労や筋肉痛を軽減することができます」
山登りの際には、自然と足を出したところに体を乗せるようにすると、力まずに歩くことができます。張り切って山を登ると力んで大股歩きになりがち。歩いたときに自然と歩幅が狭く、小股歩きになるのがリラックスした状態です。足の力を抜く練習をしておくのも有効です。上げた足を落下させて、その感覚を覚えておきましょう。
【CASE.1】足の力を抜く練習
01. 立って右足を腰のあたりまで上げる。
02. 糸が切れたように力を抜いて、上げた足をストンと真下へ落とす。
つま先ブレーキ下りはヒザを痛める
次に、山の下りでヒザを痛めないようにする歩き方についてです。道が下っている場合、傾斜に対して上半身を反らせながら、足のつま先でブレーキをかけるようにして歩きがちです。そうすると、重心が前方にかかりすぎてヒザに余計な負担がかかり、歩いているうちにヒザがガクガクと笑ってしまいます。
それを防ぐには、足のすねをしっかり使い、くるぶしあたりに重心が来るように歩くのがポイントです。上半身は反らさずに、お腹を丸めて猫背気味にすると、自然とくるぶしあたりに重心を乗せることができます。
腰痛になってしまったら
【CASE.2】腰痛ケアのポーズ
01. 立ったまま、お腹を内側に入れるイメージで上半身を丸めます。
02. 【1】の姿勢のまま、上半身を右にひねる。
03. 次に左にひねる。
腰を突き出して上半身をのばす方法は、かえって腰痛が悪化する場合もあるので、反対に丸めてひねることで腰の筋肉をのばします。
筋肉痛や腰痛は炎症であり、組織が壊れている状態なので血行を改善し、新しい血を流し入れることで症状を軽減することができます。痛くても動かす、痛い部分をシャワーで温めるなどのほか、手でよくさすることもよいでしょう。
■監修:高橋勇介
■プロフィール:高齢者のリハビリ施設で、作業療法士として長年勤務。その後『整体院ゆるゆるゆうさん』を開業。不定愁訴からプロアスリートのボディメンテナンスまで多岐にわたる治療を行う。