キャンプの楽しみのひとつは「キャンプ飯」。普段とは違うシチュエーションのなかで、どれだけ満足できる料理をつくれるかが腕の見せどころです。
そこで重宝するのが、持ち運び可能なガス調理器具「ストーブ」。スウェーデンの老舗・プリムス社の製品を展開するイワタニ・プリムス株式会社の広報担当・金牧秀明さんに、その基本的な仕組みや選び方についてお聞きしました。
簡単に火が使える野外用調理器具
野外で料理をつくって食べるのは、キャンプの醍醐味のひとつです。もちろん大勢で一から火を起こして焼くバーベキューも格別ですが、ソロや少人数のキャンプでは、簡単に火が使えるポータブル式のガス調理器具「ストーブ」が役立ちます。
ストーブというと暖房器具を思い浮かべる人も多いかもしれませんが、欧米ではクッキング用の燃焼器具のことを指します。いわゆるガスコンロをはじめ、ガスカートリッジ、アルコール、固形燃料を用いるバーナーを含め、ストーブ(stove)と呼ばれています。ちなみに、暖房器具を指すのはヒーター(heater)です。
「とくに、山登りや釣りなど、他の目的やアクティビティを楽しみたい場合、荷物は最小限に抑えたいところです。その点、持ち運びが容易で、簡単にお湯を沸かしたり、調理したりできるストーブは、とても重宝します」
「キャンプ飯」ブームで注目される
イワタニ・プリムスはもともと130年以上の歴史を持つスウェーデンの燃焼器具専門メーカー・プリムス社が日本市場進出のため、カセットコンロでお馴染みの岩谷産業とともに1985年に設立した合弁会社です。以来、数多くの冒険家や探検家に愛用されてきた「PRIMUS」ブランドのアウトドア用ストーブを中心に、数々の製品を展開しています。
「日本では30年ほど前にオートキャンプブームが起こりました。それまでにもお湯を沸かしてインスタント麺をつくるとか、缶詰を温めるといったことは行われていましたが、このブームを機に定番のカレーやバーベキューだけでなく、さまざまな『キャンプ飯』を楽しむ流れが広がっていきました。
さらに、近年では一人の時間を楽しむソロキャンプスタイルが確立し、いわゆる『山ガール』ブームなども加わって、個人や少人数のレベルでも『もう少し凝った料理を楽しみたい』というニーズが高まってきました。その影響もあって、軽量で持ち運べ、簡単な操作で火が使えるガスストーブが注目されています」