〝甦りの聖地〟として、古くから多くの人々が巡礼に訪れた熊野。その中心的存在である熊野本宮大社の近くには、世界遺産の〝つぼ湯〟がある「湯の峰温泉」、〝美人の湯〟として名高い渡瀬温泉、川底から温泉が湧く「川湯温泉」という3つの名湯があります。
川湯温泉には、毎年冬に「仙人風呂」が登場。川の中に掘られた広大な露天風呂は、冬の熊野の風物詩として知られています。
熊野の自然に抱かれた豪快な混浴露天風呂
【施設名:川湯温泉 仙人風呂】
夏場は、川遊びで賑わう大塔川。広大な流域を持つ熊野川の支流で、熊野三千六百峰と言われる峰々のひとつ、標高1122mの大塔山を源とする川です。
熊野でも屈指の清流ですが、熊野川に合流する少し手前にあるのが川湯温泉。川底から温泉が湧くというユニークな温泉は、古来熊野を旅する人々の疲れを癒してきました。川沿に歴史ある温泉宿が立ち並び、ちょっとレトロな公衆浴場もあります。
冬場は川の水量が減るため、流れの一部をせき止めて、巨大な露天風呂が作られます。
幅約50m、奥行きは16mほどもあって、まるでプールのような広さです。川底から湧きだす温泉は約73℃。冷たい川の水と混ざり合うと、入浴に適した湯温となるのです。もちろん、気温や水量によって温度が変わるので、日によって条件が違うのも面白い点。悪天候の日や、川が増水している日は入れないこともあるのですが、それも自然ならでは。