フェリーに乗って広島県のうさぎ島へ
広島県には、大久野島という小さな島があります。第二次世界大戦中、秘密裏に毒ガス兵器を製造していたことから「地図から消された島」と呼ばれていた島です。
しかし現在、大久野島へ向かう、忠海港のフェリーのチケット売り場は、とてもファンシーでうさぎ一色! 所狭しとうさぎグッズが販売され、うさぎの写真がたくさん貼ってありました。
なんと現在の大久野島は、うさぎがたくさんいる「うさぎ島」として観光客から大人気なのです。近所から頻繁に通っている人もいるのだとか。毒ガス兵器とうさぎ……すごいギャップですね。
忠海港のフェリー乗り場は外観もとても可愛く、これから行くうさぎ島に期待が高まります。
私は一旦チケット売り場から離れて、徒歩5分くらいの郵便局へ。じつは今日、大久野島で和紙をつくって、誰かに手紙を送るつもりなのです。
まだ誰に送るか決めかねていますが、とりあえず和紙の葉書を入れるための封筒を買います。私なんかが作った葉書がどれくらい丈夫か信用できないからね……。
どれが大久野島だろう。島々が目の前に広がっているフェリーに乗り込んで、わくわく考えます。
いくつかの島が並んでいて、なんだかどれも大久野島に見えてしまいます。あっちかな、こっちかなと編集者のMちゃんと指差して話します。
あのどこかの島で、うさぎがたくさん走り回っているのです。Mちゃんはハムスターとうさぎが大好き! 私も小さな頃、家にうさぎがいたので、久しぶりに会うのがとても楽しみです。
周囲の人々もケータイで写真を撮ったり、恐らく私たちと同じように大久野島を探して、遠くを指さしたりしていました。みんなが浮き足立っています。
もふもふ天国! たくさんのうさぎに囲まれる
さあ、うさぎを探すぞ! と意気込みながら、島に上陸したら5秒で発見。さすが推定400〜500羽ほどうさぎがいる島です。
到着した人間たちが早速メロメロになっています。うさぎたちは人に慣れているので、すぐ近くを通っても全然起きないでぐうぐう寝たり、ごはんを食べたりしています。
か、可愛い……。全身毛に覆われた生きものは可愛いですね。Mちゃんも早速しゃがんで、うさぎと目線を合わせようとしています。
大久野島のなかにある、和紙の葉書づくりが体験できるという大久野島ビジターセンターへ向かっていると、子うさぎもたくさんいました。
大人のうさぎから離れて、子うさぎたちだけで追いかけっこをしています。
昔は人慣れしていなかったといううさぎたちも、観光客の人たちから餌付けされているうちに人慣れしてきて、ごはんをたくさんもらって食べて、たくさん出産するようになり、うさぎも観光客も右肩上がりに増えたのだといいます。現在はコロナ禍もあって数が減っているようですが、落ち着いてきたのでまた徐々に多くなるでしょう。
そして子うさぎがまたはちゃめちゃに可愛い。毛玉たちがじゃれあって、駆け回っていました。