東京都の奥多摩には標高2000m以下の山並みが連なり、週末ハイカーが四季を問わず押しかける人気のエリアです。なかでも世界一ハイカーが登ると言われている高尾山に匹敵する人気の御岳山は、お犬様信仰の武蔵御嶽神社を山頂に抱くこともあり、老若男女からワンコ連れハイカーまで幅広い層に親しまれています。
宿坊が立ち並ぶ荘厳な景観を愛でる
ケーブルカーを利用すれば、山頂駅を下車して30分ほどで山頂踏破ができる手軽さも人気の理由です。山頂駅にあたる御岳平からの景観も見応えがあり、ビジターセンター経由で巡る山頂ルート途上には、江戸時代より続いている御師の宿坊、つまり参拝の信者をもてなす施設がいまではハイカーたちの宿泊施設として立ち並び、独特の景観を楽しめます。
山頂の神社は武蔵御嶽神社といい、盗難除け・魔除け・豊作の神として広く信仰されてきた霊山です。山岳信仰はすでに鎌倉時代からで、咋年の大河ドラマ「鎌倉殿の13人」で中川大志さんが演じる武蔵の武将・畠山重忠が鎧や太刀などを奉納したと伝えられています。また、同神社は「おいぬ様」信仰でも有名で、愛犬家の間でもつとに知られています。
ロックガーデンコースから天狗岩へ
さっそく、御岳山ルートで人気のロックガーデンコースに足を踏み入れ、長尾平の分岐を右手に進み天狗岩を目指します。大きくせり出した岩の上には天狗像。意外に小さいので見落としてしまうかもしれませんが、岩を登ることができるように鎖がかけられているので、アトラクションとして登ってみても楽しいと思います。
天狗岩からは沢沿いの道を歩くが苔むした岩場が出てきたら「ロックガーデン」の始まりです。中間地点と思しき場所には休憩用テーブルや東屋がしつらえてあります。
休日ともなれば、ここでランチをとるハイカーで溢れる休憩ポイントです。そのまま進めば程なく「綾広の滝」。約10mの高さの滝は、ここまで一気に歩いて汗ばんだ体に一服の清涼剤となる涼やかな、そして厳かさをも感じるのではないでしょうか。
ロックガーデンからは若干の登りを経て長尾平に戻ります。ほぼ2時間少々のハイキングはここ、長尾平でのランチタイムで締めに。広場先端には多くのテーブル席が並び、東屋も一棟用意されています。
長尾平からの景観も山ごはんメニューのひとつ。帰路は東京の名酒蔵である澤乃井酒造に立ち寄って春の新作を土産に購入。これも山旅の魅力のうちであることは間違いありませんね。