空前のキャンプブームを経て、外遊びの文化として成熟した感のあるキャンプ。コロナ禍前は大人数で宴会のごとく、音楽を流し、飲めや歌えの大騒ぎ。きっと周囲のキャンパーのことはお構いなしで、自分たちが白い目で見られていることなんて、1mmも感じていないことも。これは肌感覚ではあるが、最近はそんな集団をあまり見かけなくなった印象もあるが、ここではタガを外した輩たちを反面教師に、改めてキャンプにおけるマナーを再考したい。
大人数で気分が高揚し過ぎて声が大きくなる
アウトドアが好きでキャンプを楽しんでいることに違いはないのだろうが、他のキャンパーへの配慮が疎かになってしまうのが「グルキャン」。参加人数が多いことで話し声が大きくなり、静かにキャンプを楽しみたい人にとって、大声での会話は騒音以外の何物でもないのだ。
もちろん、日中での会話はある程度は我慢するとして問題は夜。キャンプ場では、就寝時間(サイレントタイム、クワイエットタイム)を設けていることが多く、周囲にまで響き渡るような深夜までの会話は最低限のボリュームで行うこと。とくに深夜にはお酒が入ることでおのずと声が大きくなるので、静まり返ったキャンプ場に響く笑い声も、じつは迷惑行為になるのである。
子供たちから目を離し、野放し状態……
友人や仲間たちとグルキャンを楽しんでいるキャンパーも多いだろう。しかし複数の家族が合同で参加する子ども連れのグルキャンでは、子どもから目を離して野放し状態になっていることも多い。自然を楽しむキャンプでは、子供の自主性や行動力を育むのも大きな目的ではあるが、あくまでもキャンプ場は不特定多数の人々が集う公共の場であり、最低限のルールを守ることが大切。余計なお世話なのかもしれないが、グルキャンしているサイトから離れて遊ぶ子どもたちを見かけると、なぜかこちらが気が気でなくなり、テントの設営や火起こしに集中できないこともあるのだ。
しかも、キャンプサイトにはコンロや焚き火、ナイフや斧などの刃物も置かれているので、正しい扱い方を知らなければ大きな事故に繋がってしまう。また、キャンプ場は渓流や海、森などの自然と隣接していることもあり、子供たちから目を離すことは大きなリスクになることを忘れてはならないのだ。