愛車の内装を快適仕様に仕上げる車中泊ユーザーが増えている。ここで紹介する現行型のダイハツ・アトレーに乗る茶vanさんもそのひとりだが、「他の人と被るのがイヤだから」とインテリアスタイルを研究。その末にたどり着いたのが「ジャパンディ」というコーディネートだった。
D.I.Yで製作するなら他と被らない空間にしたい
学生時代にレンタカーを借りて、友人と一緒に車中泊旅をしていたという茶vanさん。社会人になってもそれは変わらず、北海道や九州を一周するなど、レンタカーでの旅に夢中になっていたそう。
いつか自分のクルマで旅することを目標としていたが、そんなときに出会ったのが現行型のアトレー。小回りが利いて燃費も良い軽バンが欲しく、そのなかで当時モデルチェンジしたばかりで、なおかつロングドライブがラクなクルーズコントロールが付いていたのが決め手となった。
さっそくこのアトレーを車中泊仕様にするべく、D.I.Yで作り込みを開始。いきなりD.I.Yというのもノウハウがないと難しそうなイメージがするが、茶vanさんは大学で建築を専攻していたというから腕には自信アリ。
「整理収納アドバイザーのノウハウもあるので、そのエッセンスも活かせると思いました」。
たどり着いたのは素材に「竹」を使ったスタイル
試行錯誤の末に完成した内装は、畳や竹、麻などをふんだんに使用した「和」を感じさせる仕上がり。しかし完全な和テイストではない。
インテリアスタイルに精通した人ならピンとくるかもしれないが、最近注目を集めている「ジャパンディ」というコーディネート術。これを徹底的に研究し、素材を厳選。あらゆるECサイトだけでなく、IKEAや無印良品などさまざまなお店から材料を調達した。
北欧インテリアに和の雰囲気をミックスしたスタイルのことで、北欧系で多く見られるライトカラーのウッドを基調に〝わび・さび〟を感じる和室のようなムードを取り入れた「和モダン」な空間に仕立てられている。
両サイドに貼ったのはIKEAで購入した竹材。カッターで簡単にカットできるので扱いやすい。これで樹脂の安っぽさを隠す。障子のロールカーテンも味がある。ラゲッジボードは木材で製作。市販のサイドバーとクロスバーに、木の板を張り付けた化粧板を敷いた自作収納棚。4個のカゴが収まる仕様。
また前席と後席を仕切るカーテンもD.I.Y。コレでプライバシーを確保できる。また上部は小物置きになっている。ラゲッジフロアに敷いた畳も渋い。寝袋だとこの内装の世界観に合わないので、布団で寝るのがこだわりだ。
なお自慢のお茶道具が置かれている板は、現行アトレーのデッキサイドトリムに採用されているラゲージボード差し込み用のスリットにピッタリはまる1枚ものそれを用意。
ラゲッジ下のデッドスペースを活用して取り付けたFFヒーターにより冬でも快適に過ごせる。スライドドアを閉めたときに熱で内張りが溶けないよう対策済みだし、排気ガスは車外の細いホースから出る仕組み。