少し前までは「ゲリラ豪雨」と呼ばれていた大雨ですが、最近では「線状降水帯」というまた新たな言葉とともに、想像を絶する豪雨が日本中に甚大な被害をもたらしています。ちょうど予約しておいたキャンプ場の利用日に大雨に見舞われたら「運がなかったね……」と諦めるしかありません。
ただし最悪なのが、キャンプ場に向かう道中はまさかの大雨を予感させる予兆はまったくなく、現地に到着して設営を始めた段階で、急な大雨が自分たちを襲ったら、どんな対策を講じれば良いのでしょうか。そこで、しっかり「自衛」する「知恵」と「スキル」を身に付けることで、大切な命を守ることができるでしょう。ここでは、キャンプ時の突然の豪雨対策についてご紹介します。
【ゲリラ豪雨に対する自衛手段:01】予め天気図をしっかり確認する
キャンプに出かける際は、週間天気予報で天候の変化をしっかり確認しておくことが大切です。併せて天気図も小まめにチェックしておくことで、先々の計画をフレキシブルに変更できるかもしれません。もちろん天気だけでなく、気温のチェックを忘れずに。真夏日(30℃以上)が続くと、温められた空気によって積乱雲が発生し、局地的なゲリラ豪雨が発生するかもしれません。
また、スマホアプリの雨雲レーダーを活用することで、自分たちのキャンプをどの段階で中止するのか、どこへ避難するのがベストなのかなどの判断材料となるはずです。
【ゲリラ豪雨に対する自衛手段:02】キャンプ場からの勇気ある撤退も検討する
梅雨が明けるまでは「ゲリラ豪雨」ありきでキャンプ地やサイト選びすることも重要です。キャンプ場を探す場合は、急峻な渓流やダムに近い河川下流部は絶対に避けましょう。急峻な渓流ではその場所で雨が降っていなくても、上流部でゲリラ豪雨が発生すると急激に水位が上がります。最悪の場合、鉄砲水や土石流の危険もあるので、川の水が急に濁ってきたり、葉っぱや枝などが流れてきたら、増水の危険を知らせる前兆。即刻、キャンプ場から勇気ある撤退をしましょう。
また、この時期はサイト選びを慎重に行うことが大切です。サイトの地面を観察し、泥や粘土質の場所を避けて、水捌けの良い芝生や砂利の場所を選ぶこと。また、川から離れた高台を選ぶことはもちろんですが、山間であっても「谷」に沿った場所も避けましょう。
その理由は急激な雨が降ると、谷沿いに雨が集まることで大きな被害が予想されるからです。雨のキャンプ中に山側から土の匂いやカビ臭ささを感じたり、パキパキと山から枝が折れる音が聞こえたら、速やかにその場所から避難してください。この匂いと音は土砂崩れの前触れなのです。