アウトドアブームのなか、ソロはもちろん仲間たちと一緒に積極的にキャンプに出かける女性が増えてきました。女性によるアウトドアへの進出は喜ばしい面もありますが、とくにソロキャンプやソロ車中泊をする場合、リスクがともなうことも忘れてはいけません。いくら治安がいい日本とはいえ、鍵のかからないテント泊や人どおりの少ない場所での車中泊は、「犯罪」や「事件」に巻き込まれないためにも十分な準備と対策が必要です。
キャンプ場選びとサイト選びは慎重に!
女性キャンパーの悩みとして、「キャンプ場でのナンパがウザイ」「深夜にテントを訪ねて来る不届き者がいる……」などの声を耳にすることがあります。なかには「親切心」によるありがた迷惑もありますが、テントやタープの設営に手間取っている姿を見て「手伝いしましょうか!」から始まり「一緒に飲みませんか?」などの発言につながることも。
そんなとき「結構です」と、無下に断ることで印象を悪くしてしまうのも怖いことで、せっかく自然のなかで自分の時間を楽しもうとキャンプに来たはずなのに、余計なお節介を断るためにいらぬ気を遣わなくてはならないというのも苦痛でしかありません。
そんなときは「初心者なので自分で組み立てる練習をしているので、困ったら声をかけさせてください」と、相手のプライドを刺激しないようにやんわり断ることが賢明です。
またキャンプ場選びの際に、夜間でも管理人が常駐している施設を選んだり、フリーサイトを使用する場合はファミリーキャンパーの近くをあえて選ぶのも賢い方法といえます。テントを張る前にお隣の奥さまに挨拶をして、同じ女性として意識してもらい、困った時の味方になってもらうと良いでしょう。
緩みがちな「防犯意識」を取り戻す
一般生活で女性が暮らす場合、ドアや窓の鍵をかけずに寝ることはないはずです。しかしテント泊では当然、無防備な状態で就寝することになります。とくにキャンプの場合は、非日常空間ということもあり、危険への意識が薄くなってしまうことで、大きなリスクをともないます。女性キャンパーの場合、テント泊であってもファスナーを内側からロックできるワイヤー式の鍵をかけることが大切であり、万が一の場合に備えて、防犯ブザーを用意しておく慎重さも必要です。
事前に管理棟の電話番号を緊急時の連絡先として登録しておくのも良いでしょう。アウトドアではすべてのリスクは自己責任となります。残念ながら自然災害や気候などのトラブルだけでなく、「犯罪」に巻き込まれるリスクがあることも理解しておきましょう。
車中泊ではひとけの多い場所を選ぶ
コロナ禍をきっかけにキャンプはもちろん車中泊人気もさらに高まっています。車中泊はテントとは違い、クルマだから安心と思うのは早計です。キャンプ場でのオートキャンプならまだしも、道の駅やサービスエリアなどでも「夜中に窓を叩かれた」「ドアを開けられそうになった」「窓から男性が覗いていた」など、女性にとっては想像するだけでも恐ろしいトラブルも起きているといいます。
さらには海辺の駐車場や静かな森のなかなど、ひとけの少ない場所は大きな危険がはらむことを忘れてはいけません。車中泊といえども万が一のことを考えて、人やクルマの往来がある場所を選ぶことも「防犯」につながる大きなポイントなのです。
また、車中泊する場合には必ずドアをロックしたことを確認して、外から簡単に侵入できない状況を作りましょう。また、いかにも女性らしいクルマも狙われやすい要因のひとつ。車中泊での防犯を意識するのなら、女性が乗っていそうな「ぬいぐるみを並べた可愛らしい軽自動車」などは避けるのが賢明といえるでしょう。