神奈川県西部にある標高1252mの大山は、本格的な登山も、気軽なハイキングもどちらも楽しめるのが魅力。今回はケーブルカーで標高約700mの地点まで向かい、阿夫利神社下社から山頂を目指し、見晴台経由で下山する周回ルートを歩きます。
ウォーミングアップしながらの物見遊山
伊勢原駅からバスでおよそ30分。終点の大山ケーブルバス停で下車したら、土産物屋や豆腐料理の店が並ぶこま参道を通って、ケーブルカーの駅を目指します。ハイキングコースはまだ先ですが、362段の石段が続くこま参道を通るだけで、すでに山登りをしている気分……。
ケーブルカーに乗ると、6分で阿夫利神社駅に到着。ここが登山道入口の最寄り駅です。なお、ケーブルカーを利用せずに歩いていくこともできます(約30~40分)。
駅を出て、石段を上がった先にある阿夫利神社下社には、たくさんの人の姿がありました。観光旅行が許されていなかった江戸時代、参拝を兼ねて物見遊山ができる「大山詣り」は大変な人気を誇ったのだとか。今も昔も、大山は一大人気スポットなのだと実感させられます。
ユニークな見どころがいっぱいの登山道
登山口手前にある入山祓所で身を清めたら、登拝門をくぐってハイキングスタートです。
またもや登場した長く続く石段。100段はあるでしょうか。ここは無理せず、手すりを掴みながら登っていきます。
この先は登山道の脇に設置された、赤字で「○丁目」と書かれた石標が目印になります。先ほどの登拝門が1丁目、大山山頂は28丁目。3丁目を過ぎると、岩の多い本格的な登山道に変わります。これ以降は手すりなし。持参したトレッキングポールが役立ちました。
途中、いくつか名所があるので、休憩がてら「おお~!」「へぇ~!」と眺めて楽しみます。寄り添って立つ姿が愛おしい8丁目の夫婦杉、牡丹の花のような球体の岩が足元に転がる14丁目の牡丹岩、天狗の鼻で穴が開いたとされる巨岩が残る15丁目の天狗の鼻突き岩……。
ほぼ中間地点にあたる16丁目の本坂追分にはベンチがあるので、腰を掛けて水分補給をしたり、おやつをつまんだりして、後半に備えます。