キャンプに行くときは、さまざまな便利道具を揃えていくと思いますが、なかでもなくてはならないアイテムがあります。それが「ロ―プ」 です。地味に思える存在ですが、テントやタープを張ったりするときや、キャンプ場で洗濯した物を干したりするときには必須。もしロープを持ってくるのを忘れてしまうと、キャンプは成り立たなくなるほどです。
ロープは、実にさまざまな使い方ができます。上手に使うことで、キャンプの快適さが大きく変わってくるはずです。そのためには、ロープのさまざまな”結び方”を覚えておくのがおすすめです。
キャンプで役立つ基本的な結び方をアウトドア&キャンプのベテラン、打越俊浩さんに教えていただきました。
ロープの結び方は「ロープワーク」と呼ばれています。このロープワークにはさまざまな種類があり、なかでもよく利用する結び方を紹介したいと思います。「難しく思えますが、実際にはとても簡単」(打越さん)ですので、覚えておきましょう。
基本的なロープワークとして知っておきたいのが、「もやい結び」「巻き結び」「本結び」「自在結び」という4つです。 それでは一つずつ見ていきましょう。
【もやい結び】テントなどを張るときに使う輪っかを作る結び方
「もやい結び」とは輪っかを作る結び方で、テントやタープを張るとき、物を吊るすとき、木などの太いものにロープをつないだりするときなど、幅広く役立ちます。
「もやう」というのは漢字では「舫う」と書き、〝船を杭などにつなぎとめる〟といった意味を持っています。「万能な結び方で『キング・オブ・ノット(結びの王様)』とも呼ばれています」(打越さん)。
【結び方の手順】
手順01/まず、結びたい対象物にロープの先端を回し(通し)ます。
手順02/ロープの元側(長く残っている側)に輪を作ります(元側が輪の上になるように)。
手順03/作った輪にロープの先端を下側から通します。
手順04/元側のロープの下側をくぐらせて、輪のある方向に折り返します。
手順05/再び、先端を輪に通します。
手順06/できた輪っかのサイズを確認して先端側と元側を引っ張って結び目を締めます。
作った輪っかのサイズは変わらない(締まったりしない)ことと、簡単にほどくことができるのも、もやい結びの特徴です。「ロープワークの基本中の基本」(打越さん)なので、ぜひ覚えておきましょう。
【巻き結び】木の幹などにロープを巻き付ける方法
「巻き結び」とは、木の幹やポールなどにロープを巻き付ける結び方です。「太い木にも、しっかりと巻くことができ、また、ペグや薪などをまとめておくときにも使えます。結び方はとてもシンプルなので、すぐに実践できるでしょう」(打越さん)
【結び方の手順】
手順01/まず、結びたい対象物にロープの先端を回します。
手順02/元側の下を通して、先端をもう一周させます。
手順03/今度は元側の上を通して、交差した部分に先端を通します。
手順04/先端側と元側を引っ張って結び目を締めます。
「強い力や荷重が加わると外れるおそれもありますので、先端側は最低でも10cm以上残しておくといいでしょう」(打越さん)