アウトドアナイフは、キャンプに欠かせない道具です。料理だったり、木を切ったりと、さまざまな用途で便利に活用することができます。ただし、ナイフならどれを買ってもいいというわけではありません。ナイフには、それぞれ向き不向きがあるからです。
例えば、家のキッチンでは包丁、DIYではノコギリ、ちょっとした手作業ではカッターナイフなど、それぞれの場面に合わせてふさわしい道具を使いますね。これはキャンプでも同じで、それぞれの役割に合ったナイフが必要です。それと同時に、アウトドアナイフは趣味の一品という魅力も持っています。かっこいいナイフを買って、キャンプでは使わずに自宅に飾っておくという人もいるのです。
いずれにしても、アウトドアナイフはかなり奥が深く、キャンプ初心者にとっては、選択に悩むアイテムだと思います。そこで、初心者がアウトドアナイフを選ぶ際に、何を基準にしたらいいのか、どんな製品を購入したらいいのかを石井スポーツヨドバシ新宿西口店の鈴木岳載さんに教えていただきました。
用途を明確にすることが大切
___キャンプに行くなら欠かすことのできないアウトドアナイフですが、たくさんあるなかから自分に合った1本を見つけるには、どうしたらいいでしょうか。
[鈴木さん]
アウトドアナイフには、形状はもちろん、サイズや材質、構造など、数えきれないほどの種類があります。初めてナイフを購入するときに、まず確認していただきたいのは、「ナイフを使って何をしたいのか」という点です。というのは、用途がイメージできていないと思っていたものとは違う使いにくいナイフを選んでしまうかもしれないからです。
例えば、料理のときに使うのか、焚き火のときに使うのかによって選び方は大きく変わってきます。まずは「キャンプでの使い方をイメージ」してみてください。もし用途が明確にならなくて漠然としている場合は、ショップにそれをそのまま伝えていただき、相談してみるのもありだと思います。そのうえで、いくつかあるタイプから絞り込んでいけばOKです。
知っておきたいのは3つのタイプ
___まずは「用途を明確にする」ということですね。アウトドアナイフにはどんなタイプがあるのでしょうか。
[鈴木さん]
アウトドア用のナイフにはさまざまな種類がありますが、「シースナイフ」「フォールディングナイフ」「ツールナイフ」の3タイプに分けることができます。それぞれの特徴を順番に紹介しましょう。
【シースナイフ】
シースナイフは、比較的大きな刃を持つナイフで折り畳みはできません。刃とハンドル部分が一体になっている構造なので、「ほかのタイプと比べて頑丈な製品が多い」です。
そのため、用途としては、木を割る、削る(バトニング、フェザースティック)などといった、力が掛かる作業に向いています。ちなみに、『バトニング』とは、ナイフを使った薪割りのことです。『フェザースティック』は、薪の表面を薄く削って羽根のような形にして着火しやすくする手法です。
【フォールディングナイフ】
こちらはナイフの刃を柄の部分に折り畳めるタイプで、「コンパクトに収納できる」というメリットがあります。シースナイフのようなハードな使い方はできませんが、一般的な料理やちょっとした作業であれば、十分にこなせます。
刃が薄くて軽量なタイプが多いので、どちらかというと「料理の用途に向いている」といえます。
【ツールナイフ】
このタイプは、「ツール」という名前が付いているとおり、ナイフだけではなく、ハサミやドライバー、栓抜きなど、さまざまな機能を持っています。
ツールの組み合わせによって、「たくさんの製品がラインアップされていて、幅広い使い道に対応できる」のが特徴です。ツールナイフは、アウトドアやキャンプではもちろんのこと、日常の生活でも小道具的に使えますので、とても便利なアイテムなのです。