日本百名山のひとつに数えられる阿蘇山は、言わずと知れた九州を代表する景勝地。活火山ならではのダイナミックな風景を求めて、国内外からたくさんの人が訪れます。
とくにおすすめしたいのが、阿蘇山を構成する山のひとつ、杵島岳へのトレッキングです。
トレッキングデビューにぴったりな杵島岳
九州のほぼ中央に位置する阿蘇山。じつは、ひとつの山の名称ではないということをご存知でしょうか。阿蘇カルデラの中央にある火口丘群(高岳、中岳、烏帽子岳、杵島岳、根子岳)の、いわゆる阿蘇五岳を総称して阿蘇山といいます。
そのうちのひとつ、標高1321mの杵島岳は登山初心者にとって登りやすい山として知られています。登山道入口までクルマで簡単にアクセスできるうえに、標高差も約200mとさほど大きくなく、舗装された道が山頂まで続いているのがポイントです。
四季折々で表情がまったく異なるのも魅力
杵島岳は訪れる時期によって、周囲の景色ががらりと変わります。毎年2月後半から3月中旬にかけては野焼きが行われ、山肌が真っ黒に。野焼きをすることで、枯れ草を焼却して新しい草の芽生えを助けたり、草原が森林化するのを防いだりと、阿蘇ならではの美しい景観を維持しているのだといいます。
ほかではなかなか見られない、焦げた大地を見渡しながら歩くなら春先がベスト。暖かくなるにつれて、青いじゅうたんを敷き詰めたような斜面に変わり、秋には黄金色のススキが風に揺れる風景に出会えます。