最近のキャンプ場でひそかに話題の宙に浮く「ツリーテント」。3本の木を使って3方向からしっかりと固定し、空中にテントを張るこのツリーテントは、アウトドアの新たな過ごし方を提案しています。ツリーテントを導入した秋田県「田沢湖キャンプ場」の佐藤さんにお話しを伺いました。
ハンモックの浮遊感とテントの居住性を同時に味わえる
宙に浮く、まるで宇宙船かUFOのようなツリーテント。夏期、湖畔にツリーテント泊を展開する秋田県仙北市の「田沢湖キャンプ場」の佐藤さんは「ここは、当キャンプ場でもスペシャルな特等席です」と語ります。
「夏場に泊まれる唯一湖の近い場所で、ツリーテントの窓からすぐそばに湖が見えます。キャンプ場として新たな話題づくりとして導入しました。2点式のハンモックと違って、3点式でしっかりとした面積が取れるので大人が3人でゆったり過ごせます。ハンモックの浮遊感とテントの居住性を同時に味わえる、まったく新しいテント泊のスタイルです。何よりファミリーキャンプではお子さんも大喜びですね」
イギリスが発祥のツリーテント
さて、このツリーテントはイギリスが発祥です。開発者の環境建築家が大好きなSF映画からヒントを得てポータブルなツリーテントの試作を繰り返した末に、2010年代に完成しました。7m以上の間隔で木が3本ある三角地帯があれば簡単に設置できて、持ち運びできるほどコンパクト。平帯状のロープを使って木を傷めることなく設置できて、環境への影響もありません。
床面は特殊構造により重点が分散されるように設計されていて、体が沈むことはなく、寝るときも軽く体が包まれるような安定感があり、風による心地よい揺れで自然との一体感を味わえます。
ドイツで開催される世界最大級のスポーツ展示会「ISPOデザインアワード」をはじめ、業界のさまざまな賞を受賞しており、MoMA(ニューヨーク近代美術館) にも収蔵されています。