誰もが救える命、心停止の人を救命するAEDのことを知ろう
公共施設や商業施設のほかスポーツ関連施設、アウトドアにおけるキャンプ場の管理棟に設置されることが多く、よく目にするようになったAED。しかし、それに対する正しい知識や理解は進んでいないのが現状です。AEDの基礎知識やもしものときの使い方など、AEDに関する全てをおさらいするシリーズの第1回目をお届けします。
救急車到着までの間に心肺蘇生を行う重要性
病院の外で心臓が原因の心停止に陥って亡くなる人は毎年約8万人いるといわれています。1日に200人、7分に1人が心停止に陥っている計算になります。そしてそのうち、病院外で人が倒れた瞬間が目撃された例は約2万6000件。そして約半数はその場で心肺蘇生を受けていませんでした。
AEDが活用され、電気ショックが行われたのは約1000人にとどまっています。逆に言うと、人が急に倒れたとき、その場に居合わせた一般の人が早急にAEDを使い電気ショックを与えるなど心肺蘇生を行えば命がさらに助かり、後遺症を防ぐことができる可能性が高くなるということです。
人が倒れて救急車が来るまでの全国平均約8.9分(※総務省消防庁:令和3年版救急・救助の現況)の間に何も対応しないと、生存率は1分おきに著しく低下するといわれ、10分強で0%になってしまいます。
キャンプや登山など、都会から離れた山奥でもしもの事態が起きた場合は、その時間内で救急車が到着することは難しいと言わざるを得ません。しかし、例えばアウトドアで雷に打たれた場合、直撃でなければAEDによる心肺蘇生がかなり有効であるとして、積極的に自らAEDの講習会を行っている野外救急隊の医師もいます。