アウトドアに親しむと、もっと知りたくなってくる山菜やキノコのこと。役立つ&知っておもしろい知識を、山菜・きのこアドバイザーの荻田 毅さんに聞きました。
今回は、隣り合って生息していて、しかも似ているキノコ3組について紹介します。
国民的毒キノコ!? ~ベニテングダケ~
「日本人に『キノコの絵を描いてください』というと、ほとんどの人が、ベニテングダケを描くそうです。絵本の挿絵に出てくるキノコNo.1でもあるらしいです。
イボテン酸という毒性のある成分を含んでいるので、胃腸系の中毒を引き起こしたりします。ただ、命を落とすほどではなく、みながもつイメージの『毒キノコの王様』のような猛毒ではないです。
僕は以前、キノコは『食べられるか食べられないか』にしか興味がなかったのですが、ベニテングタケと出会ってまじまじと見たら、「見て美しいキノコ」というものもあるんだと思うようになりました。思い入れのあるキノコです」
触るだけでも炎症が起きる ~カエンタケ~
最近は「カエンタケ」が危ないという報道があります。〝いかにも〟な見た目です。
「カエンタケは、日本に1万種類はあるだろうキノコのなかで、唯一、触るだけで皮膚炎を起こす可能性があるキノコです。
もちろん食べたら致死率は高いでしょうが、この見た目なら驚きませんよね。食べようと思う人もいないんじゃないかと思います。
ちなみに、僕、カエンタケに二度ほど触れたことあるんですよ。2回とも、僕のイベントで一緒に歩いたお客さんが『荻田さんこれ何?』って僕の手に乗せてきたんです。
『うわ、カエンタケだ!』と思ってバッと手から振り落としたので大事にはいたりませんでしたけどね」