焼津といえば駿河湾。駿河湾といえば魚。最深部は2500mの深海を持つ湾では約1200種類に及ぶ魚類が生息しているらしく、アジやサバ、シラスからサクラエビやタカアシガニなどが水揚げされる海鮮ファンに人気の街です。また一方で日本一を誇る富士山も、この街からはそのお姿をたっぷり堪能できることで多くのハイカーが訪れます。満観峰からの眺望は、言葉に尽くせない見事さです。
麓集落の花沢の里も引けを取らない映えスポット
満観峰(まんかんほう)は静岡県静岡市駿河区と焼津市にまたがる標高470mの山です。広々とした山頂には富士山の眺望お目当てのハイカーが数多く訪れます。その名にふさわしく富士山から南アルプス、そして駿河湾から伊豆半島までをほぼ一望に見ることができます。とりわけ地元のハイカーたちの定番登山の様相で、平日の麓の駐車場は地元ナンバーのクルマで満ちあふれます。

多くのハイカーは麓の花沢の里から鞍掛峠を経由して山頂を目指すかと思いますが、この花沢の里がまた素敵な雰囲気を醸しています。江戸時代の面影を残す町並みは風情にあふれ、映えスポットでもあります。

緩やかな坂道は山行のいいウォーミングアップになるかと思いきや、結構、ここでシャッターを押す回数が増えて足止めを食らうハイカーも多いのでは。街ぐるみでハイカーをアテンドしてくれているように感じます。

富士山の美しい末広がりを堪能できる山頂展望広場
集落の先にあるお寺から登山道が道を開いています。古道の趣を醸す登山道を進み鞍掛峠へ。ここでは満観峰とともに焼津アルプスを形成する主峰の高草山への分岐点にもなります。ゆったりしたトレイルもあれば、比較的急峻なポイントもありますが、概ね難度は高くないので子連れハイカーにも人気です。

山頂に飛び出れば目前に富士山です。しかも満観峰からは富士山の前衛峰となる山がないため、その壮大にして秀麗なシルエットを丸ごと観望できます。

山頂広場には東屋と多くのベンチが設えられており、その全てが富士山に向いたアリーナ席のようでもあります。天気に恵まれれば、時間が経つのを忘れるくらいに魅了されます。
