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西暦4世紀頃の古代人も絶景ファンだった!? 逗子・葉山にまたがる古墳群からの眺望が素敵過ぎる

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神奈川県葉山町の一角には古墳があります。桜山隧道と新桜山隧道の2本のトンネルの真上、といえば場所も見つけやすいかと思います。三浦アルプスと鎌倉・名越切通しにも程近い長柄桜山古墳群は、神奈川県最大の前方後円墳です。4世紀頃の古墳がこんなところに? の不思議発見です。

発見は1999年。新しい遺構は住民の気づきから

前方後円墳という言葉は社会科や歴史の教科書で覚えのある方も多いかと思います。世界三大墳墓に数えられる仁徳天皇陵で有名ですよね。それと同じ遺構が神奈川県逗子市と葉山町の境にあります。発見はごく最近の話で平成11年は1999年3月のことでした。先述の桜山隧道にほど近い葉桜住宅街の西側に広がる一帯で、携帯電話の中継基地建設工事着工中に、近隣の住民の方が埴輪片を発見したことがきっかけとなったそうです。この一帯が長柄桜山古墳群第1号墳と命名されました。

同年4月には第1号墳の西側500m海岸寄りの丘陵部にも、同様の古墳があると考古学者が指摘したことで、第2号墳と国史跡指定を受けるに至ったそうです。逗子市民と葉山町民の強い後押しもあって、平成14年12月に「長柄桜山古墳群」と正式に指定されました。

古代の人も湘南の海 × 富士山の眺望は憧れ? 絶景展望の古墳

長柄桜山古墳群には葉桜バス停から住宅街を抜けるルートと、逗子の渚橋にほど近い蘆花記念公園から。そして長柄交差点バス停近くの新桜山隧道脇から登るルートがあります。ここでは長柄交差点バス停から古墳群を辿ります。

隧道脇の階段を上がります。思いの外に急登の階段が続きます。登りきった先にあるのは第2号墳です。よくよく見れば地面に網掛けされているようなので、それとなく気づかされるような取り扱いです。この第2号墳と第1号墳は散策路でつながっています。

この第2号墳は全長88mで墳頂部の標高は約100mだそうです。前方部から西側は大きく開けており、まるで狙ったかのような絶景ポイントになっています。相模湾に浮かぶ江ノ島をはじめ天気が良ければ富士山や、箱根の山並みを望むことができます。古代の人々も富士山の眺望にありがたみを感じていたのでしょうか。ちょうど、この地から富士は西方になります。

散策路を第1号墳に向かいます。整地されたハイキングルートは心地よく、程なくで開けた場所に飛び出ます。一部コンクリートが覆う盛り土の小さな丘。それが第1号墳です。

全長91.3mの前方後円墳は、墳墓公園のように設えられ、市民が古墳散策ができるよう部分的にコンクリート路で覆われています。後円部墳丘には埴輪土器のレプリカが設置されています。この場所から出土されたそうです。後円部からは北向きに鎌倉〜横浜南部。西側には逗子湾と江ノ島を眺めることができます。