丹沢は交通の便に恵まれ、登山口のバリエーションも多く、登山者の技量や体調などを鑑みて山頂を極めることができ、年間を通じて多くの登山者が訪れます。その中でも表尾根ルートや大倉尾根の人気ルートを辿っていける鍋割山は、このシーズンは絶大な人気を誇ります。松田町・寄(やどりき)からなら、ろうばい祭りで愛らしい黄色の花を鑑賞する楽しみと、山頂で富士山の絶景と鍋焼きうどんの美味をセットで味わえる贅沢登山が可能です。
日本最大級のろうばい園が広がる丹沢登山口の基地
標高1272.5mの鍋割山は塔ノ岳、丹沢山が聳える表丹沢の西端に位置する山です。鍋底をひっくり返したような山容は、緩やかな丸いピークが特徴。山頂は展望に恵まれており、西側に開けた眺望は富士山ビューポイントでもあります。
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1月中旬から始まっている鍋割山麓の松田町・寄(やどりき)ろうばい祭りは、日本最大級の2万本に及ぶろうばい園散策を楽しむ観光客で溢れます。鮮やかなレモンイエローの花はまた芳しい香りで散策者を優しく、そして甘く包み込みます。
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ろうばいの原産は中国ですが、日本に入ってきたのは江戸時代と言われています。12月〜2月に花を咲かせます。英名のWinter Sweetとは、またドンピシャで素敵な響きですよね。
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ろうばい園を散策するには入園料金が必要ですが、広大な敷地に設けられた散策路は迷路のようにクロスしてもいます。園入口から段差のある敷地を辿っていくと展望台。ここからはろうばい園の全景を一望できます。中津川を挟んだ対面にはシダンゴ山が聳え、北側に台形の山容が特徴的な檜岳〜雨山と峰をつなぎ、稜線は鍋割山へと続きます。
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山頂は名物「鍋焼きうどん」の出汁の香りに行列必至
鍋割山への登山ルートは、おそらく大倉バス停からの入山者が最多だと思いますが、大倉登山口からは二手に分かれます。1本は通称バカ尾根をひたすら登り、塔ノ岳手前の金冷やしからの大丸〜小丸のブナ林の稜線を伝う鍋割山稜ルート。
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もう1本は西山林道をひたすら歩くこと約1時間半。二俣から後沢乗越を経由して山頂を目指すルートかと思います。なかにはヤビツ峠から表尾根ルートをたどる派や、シダンゴ山〜秦野峠〜伊勢沢の頭〜檜岳を経由して難所の雨山峠を駆け抜ける派の上級健脚自慢の方もいらっしゃるかと思います。
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ろうばい祭りとのセット登山なら櫟山(くぬぎやま)〜栗ノ木洞を伝って、後沢乗越からの急登で山頂を目指しピストンで戻るというシンプルなアプローチで、ろうばい鑑賞の時間を確保したいところですね。
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バス便も祭り期間中は本数も多いようです。ただ同祭り会期中はみやま運動公園を駐車場として、来園者対象に無料開放しているので、登山者は他の駐車場を利用するか、極力公共交通機関を利用する方がトラブルにならないかと思います。また三𢌞部ルートの表丹沢県民の森駐車場も、現在通行止めで駐車禁止となっているそうです。令和9年までと、先の長い話ですが。
山頂小屋の鍋割山荘は、365日ほぼ鍋焼きうどんを提供。行列必至です。並ぶハイカーはすべからく、出来上がり次第お膳に出来立てうどんと七味を載せて、静々とベンチやハイキングシートに歩を進めます。
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