アウトドアに親しむと、もっと知りたくなってくる山菜やキノコのこと。役立つ&知っておもしろい知識を、山菜・きのこアドバイザーの荻田毅さんに聞きました。今回は、有名な毒草No.1のトリカブトと間違いやすい野草についてです。
青系の美しい花を咲かせる猛毒の「トリカブト」
この中に猛毒をもつトリカブトがあります。どれも似たような葉をもちますが、どれでしょう? 正解は右です。左がニリンソウ、真ん中がゲンノショウコです。さて猛毒で有名なトリカブトはどんな野草なのでしょう。
「雪のない地域では2月下旬くらいに芽を出します。雪国では、雪解けとともに一気に出てきます。成長して高さが出て、8月〜9月になると、兜のような青っぽい花を咲かせて、秋に枯れます」
「引っこ抜いてみると三角錐の太い根があるのが特徴です。手で触ることに関しては問題ないですが、体内に入ると命に関わる猛毒です」
よく間違われるニリンソウとの見分け方は?
───ニリンソウとトリカブトがよく間違われるそうですね。
「ニリンソウは食べられる草ですなんですが、葉っぱがトリカブトに似ているので間違われやすいです。雪が降らない地域では、トリカブトより1週間ぐらい遅れて出てきて、雪国ではトリカブトと同様、雪解け直後にバーっと出て、草原を埋め尽くします。その後、1週間足らずで花を2輪(たまに一輪や三輪のものも)咲かせ、すぐに一斉に枯れるので、桜が散る頃には姿を消してしまうものも多いんです」
「抜いてみて、三角錐の太い根があったらトリカブトという見分け方ができますが、春のニリンソウには、葉っぱに黄色い斑点がポチポチついているので、それも目印になりますね」
「一番確実なのは、春先に花が咲いているものならば食べても大丈夫です。ニリンソウは花も食べられる、いわゆるエディブルフラワーです。花が咲いていないやつはやめておくのが良いですね」