山には、通常の生活とは異なる独特のマナーが存在します。初心者がマナーを知らずに登山やハイキングに出かけると、戸惑うだけでなく危険な目に遭うことも。今回は、登山時に守りたい基本的なマナーをご紹介します。
すれ違うときには「こんにちは」と挨拶を
山で誰かとすれ違うときには、「こんにちは」と挨拶するのがマナー。同じ山を楽しむ仲間として言葉を交わせば気持ちよく過ごせるうえに、「この先滑りやすいですよ」など情報交換することもできます。
さらに重要なのが、万が一の事故時に手がかりを残しやすいという点。挨拶をしたり言葉を交わすことで相手の印象に残り、遭難などの際に「あそこで挨拶した人はこんな格好をしていた気がする」と、手がかりになる情報が得やすくなります。また、すれ違う相手が辛そうであれば、「大丈夫ですか?」など声掛けをして事故の防止に努めましょう。
登山道は登り優先
登山道は、人が2人並んで通れないほど狭いところも少なくありません。そんな場合には、登り側の人を先に通すというマナーがあります。「登り」というのは山頂方面へ向かっているか下山しているかではなく、単純に今立っている斜面の上にいるか下にいるかで判断しましょう。
登りが優先される理由は、下りの方が転倒したり落石を起こしたりする可能性が高いため。人が待っていない状態で下ることで、もしもの事故の際に巻き込みが発生するのを防ぐことができます。
また、登ってくる人とすれ違うときには、安全な場所でできる限り「山側」に身を寄せましょう。ただし、人数や道の状況などによっては、臨機応変に対応した方がよいことも。お互いに声掛けをしながら、状況に合わせてすれ違うことが大切です。