焚き火、女子キャンパー、ソロキャン、グランピング、RVパーク、キャンピングカー……etc。一大ムーブメントとなったキャンプブームも最近はひと段落して「本来のキャンプ体験に原点回帰できる!?」と思えるキャンプ場を発見。今こそ、原点に帰れるこんな施設こそアリなのでは? と、思ったのでぜひレポートしたいと思います。
贅沢な星空と静寂が楽しめるキャンプ場「桃源郷 はなしの里」
熟練キャンパーもきっと満足するこの場所は岡山県の南西部に位置する小田郡矢掛町。その名も「桃源郷 はなしの里」。ここは矢掛町の地域の有志を募って運営している公設民営のキャンプ施設です。
キャンプ場の先は行き止まりという、まさに「秘境」と呼べる趣き。キャンプ場までの道中も「この先にキャンプ場があるの?」と思うようなロケーション。施設内の街灯は最小限に抑えられているので夜は真っ暗。しかも水を打ったような静けさが味わえます。
車の通りがほぼ無いので小さな子ども連れでも安全。最寄りのコンビニまでは約10km。車なら20分程度走らないとなにもありません。近辺に点在する民家以外は、人の往来がほぼない、そんな隠れた秘境です。
ゆえにキャンプの本質を極めるにふさわしい「静けさ」と「夜の暗さ」という、都会にいると味わえない非日常感はたっぷり楽しめます。ゆっくりと薪のハゼる音に耳を澄ませ、その揺れ動く炎に向き合いたい焚き火好きには最高の場所でしょう。そして緑が深い山の稜線にいよいよ日が沈むと眼前には漆黒の闇に満点の星空が浮かび上がってくるのです。
11月いっぱいまで開催中の「矢掛 手ぶらキャンプ」 モンベルのキャンプセットと町内で使える電子チケット付きでお得!
桃源郷 はなしの里の11月30日いっぱいまでおこなわれているのが「手ぶらキャンププラン」。モンベルのキャンプセットと矢掛町の魅力体験チケットが付くという魅惑のプランになっています(1区画1泊5000円で4人まで利用可能)。
「手ぶらキャンプ」キャンペーンに付属しているキャンプ用フルセット(2名分)は、マルチホールディングテーブル、椅子、テント(ムーンライトキャビン4)、寝袋(ファミリー・バッグ1)、テントマット、グランドシート、キャンプパッド50:袋に空気を取り込みポンプとして使用するインフレータータイプのマット、鍋などの食器、焚き火台、最大出力3キロワットの大容量Jackery(ジャックリー)ポータブル電源、ソーラーパネル、寝袋用シーツ、ヘッドライト、ライター、ペグハンマー、と本当に手ぶらで遊べる充実の品揃えです。
さらにオプションとして夕食、朝食のセット(2名5000円/4名1万円)も用意。使用している食材を見てみると、肉類は矢掛町にある「はなおか精肉店」にて注文していると豚と鳥の3種類。このお肉が、本当においしかった! 野菜はピーマン、キャベツ、カボチャ、タマネギをはじめ、シーズンによって旬の野菜が使われることも。そして朝ご飯はホットサンド。このオプションは本当にオススメです。
同サイトは4つのため週末の予約は取り合いの様子。スマホからアンケートに答えるだけで、提携店で使える2000円のクーポンがもらえることもあり実質3000円(!)で1サイトが利用できるコスパの良さ。キャンプギアも信頼のモンベル商品なので、興味のある人はそれ目当てに来るほど。重ねて言いますが、残りわずかな11月30日までの期間限定。しかも大人気のプラン。一刻も早い予約をオススメしますよ。
共用施設が綺麗で安心。なんと無料貸し出し冷蔵庫もあり
「手ぶらプラン」以外にも、こねたピザ生地を自分で伸ばしトッピングして自分好みに焼く「ピザ作り体験」もかなり人気の高いアトラクションです。価格は体験料込みで子ども用ピザが700円、大人用が1000円。しかもピザ代のみで利用可能!(※8人以上から受け付け)。
今回の手ぶらキャンププランなら、1泊2日のチェックアウト後にピザを昼ご飯代わりにするのもオススメです。「防災キャンプ」というツアーで子どもが体験できるドラム缶風呂も別料金のオーダー次第ですが体験可能なプランではあります。派手さは控えめですが、体験型キャンプ場としては絶対に思い出に残るプランが色々と用意されていました。
公共施設ということもあり合併処理浄化槽を備えた男性用と女性用とに分かれたトイレ、2室あるシャワーはとにかく綺麗。多目的トイレも用意されており、女性や子ども連れのファミリーにも安全・安心に使ってもらえることは間違いありません。
アットホームさを感じさせてくれるのが共有冷蔵庫の無料貸出。中に入れるものに名前を書けばキャンプ場のご好意で冷蔵庫が使えるのです。これもありがたい心遣いですよね。
桃源郷・はなしの里キャンプ場は年中無休。すでに年末年始に数組が予約しているほど人気のキャンプ場。街灯がそもそもないここでは、ただただ焚き火を楽しめばいい。そして星空を見上げるだけで幸せになれます。子どもや女性連れで安全・安心に行けて、非日常感をたっぷりと楽しめる。今さらながらですが、こういった施設こそ秋のこの季節にぜひ行きたいと思いました。
キャンペーン付属の電子クーポンを使えば町内散策がより楽しくなる
「桃源郷はなしの郷」をチェックアウト後、「矢掛 手ぶらキャンプ」に含まれる電子チケットを使うべく12店ある提携店の中から2箇所寄ってみました。
まずは日本の歴史公園にも選ばれている吉備真備(きびのまきび)公園の中にあり、吉備真備公の館(やかた)の跡地であることの証としてこの名が付いている「館址亭(かんしてい)」へ。
見た目が中国式家屋の建物なのは、遣唐留学生として入唐した吉備真備公にちなんでのもの。自家製手打ち麺が非常に美味で、開店前にも関わらずお客さんが並ぶ名店。営業時間は11時から14時の3時間限定。オススメはキツネうどん。アゲがかなり分厚く、甘めのアゲが本当に美味でした。
メニューとして用意されているのはうどんとおにぎり。そこに、あげ、玉子、ちくわ、天かす、肉などのトッピングがされた各メニューが大中小に3種類用意されていました。希望の商品フダを手に取り、係りの女性スタッフに渡すアナログなセルフスタイルもなんか粋です。建物の隣にある吉備大臣宮は学問の神様としても有名なので、そちらもぜひ! もちろん電子クーポンも使えます。
【館址亭(かんしてい)】
岡山県小田郡矢掛町東三成3974-20
tel.0866-83-1265
営業時間:11時~14時(麺が終了次第)
定休日:不定休
つぎに「水車の里 フルーツトピア」にも行ってみました。ここでは広い敷地を活用したイチゴ狩り(3〜5月)、ぶどう狩り(9〜10月)、梨狩り(9月中旬)、芋掘り(10〜11月)、ピザ作り体験、BBQなどが楽しめます。キャンプ場からほど近いここは電子クーポンが使えたので、旬の季節フルーツが楽しめる「秋の恵みカフェ」(1800円)とセットドリンク(紅茶200円)で4枚2000円分を一気に使い切り!
使い方は簡単。手ぶらキャンプの紹介プレートからQRコードを読み込んだら支払い完了。こんなラッキーがあるのもこの「手ぶらキャンプ」の魅力です! パイ生地の上にはモンブラン。むらさきいもアイス、栗の甘露煮、ほうじ茶ムース、コーヒーゼリー、カスタードクリームなどが大きなグラスにタップリと。モンブランを降ろして食べられるように別皿を用意してくれるなど気配りも至れりつくせり。
【水車の里 フルーツトピア】
岡山県小田郡矢掛町東三成3974-20
tel.0866-83-3423
営業時間:9時~17時
定休日:水曜(ほかに臨時休業の場合あり)
https://www.fruit-topia.com
矢掛町はキャンプ以外も魅力がたっぷり詰まった町だった
矢掛町は江戸時代に宿場町として栄えました。800名にのぼる大名行列一行を、本陣を中心に町家全体でおもてなしをしてきた歴史があります。その宿場町の玄関として国道486号線沿いには「道の駅 山陽道やかげ宿」があります。
矢掛町東側の入り口として設けられたこの施設は 「矢掛まるごと道の駅」というコンセプトのもと、物販をあえてしないというコンセプト。この施設をデザインしたのは岡山県岡山市出身のインダストリアルデザイナー、水戸岡鋭治さん。九州を巡る豪華寝台列車の“ななつ星”のデザインを担当したと聞くと、ピンとくるかもしれません。
その道の駅から少し歩けば、江戸時代初期に作られ現在もその街並みが残る旧山陽道の宿場町の風情が広がります。当時の本陣と脇本陣が残っているのは全国でもここだけ。いまも住民が生活していることもあり江戸時代から令和までの建物が混在する独特の景観がここでは楽しめます。
11月の第2日曜日(今年は11月10日)には、ここの本陣通りを中心に全国から1万5千~2万人が訪れるという矢掛町の一大イベント「大名行列」も開催されます。飛脚駅伝、鉄砲隊などが街並みを練り歩き、お茶席やこども神楽、物産市なども開かれる今年で49回を数える大人気のイベント。壮大な歴史絵巻をキャンプのついでにみるのもオススメです。
歴史と自然を満喫できた岡山県「桃源郷 はなしの里」でのキャンプ体験。期間限定の手ぶらキャンプは11月30日まで。もちろん通常のサイトとして自分のギアを持ち込んでのキャンプも可能です。
キャンプ場のスタッフは本当に穏やかで温かい方ばかり。通年を通しての利用をオススメできます。タオル、歯ブラシ、シャンプーやリンス等は持参しましょう。薪を焚いた灰だけは処分してもらえますがゴミは持ち帰りなので、ゴミ袋含めてそのあたりの用意やきちんとした処理やマナーはくれぐれも徹底してくださいね!
【詳しくはこちら】
●矢掛町公式観光サイト
https://japan-yakage.jp/archives/spot/detail/9303●桃源郷はなしの郷 公式Facebook
https://www.facebook.com/hanasinosato/