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横浜市にある高尾山頂? 驚きの丹沢&奥多摩の絶景と横浜で唯一の一等三角点に行ってみた

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  • キャンパスのビルより低い山頂に立つ神社
  • 国道246陸橋から東京の交通量
  • 国道246線に架かる架橋
  • 横浜の高尾山入口
  • 飯綱神社入口の標識
  • 高尾山山頂までの標識
  • 飯綱神社の鳥居
  • 飯綱神社の鳥居

登山専門サイトや動画、ブログなどで山頂記念写真と並んで、なぜか地中に埋まった石柱にタッチしている、ないしは足を乗せている写真を見たことがあるかと思います。石柱の頭頂部は十字に切られていますが、三角点と呼ばれる測量に必要な基準点です。横浜市緑区の住宅街にある神社境内に一等三角点が置かれています。丘のような横浜の高尾山はれっきとした山として歴史を紡いでいます。

東京以西の大動脈・東名と246号の狭間にある高尾山

高尾山といえば、世界一登山者が訪れる東京・八王子市高尾町の山が有名ですが、高尾山と呼ばれる山は高雄山や鷹尾山などの文字違いを含めて全国で50座前後あるそうです。今回取り上げる高尾山は横浜市緑区の標高100.5mの山です。

キャンパスのビルより低い山頂に立つ神社

場所は東名高速・横浜町田I.C.近くで東名高速と並行する国道246号とに挟まれた住宅街の「丘」の上です。最寄り駅は東急田園都市線すずかけ台駅。駅からの目印は東京工業大学キャンパスになります。駅から国道246号を渡る陸橋を伝い、林と農作地との間道を進み、左手にそびえ立つ東京工業大学の校舎ビルを巻くように住宅街を抜けていきます。

国道246陸橋から東京の交通量

バス通りに出て左手に進むと登山口が現れます。飯綱神社(高尾さま)入り口の標識と緑区遺産22一等三角点「長津田村(高尾山)」入り口と表記された銘板で案内されていますので、見落とすこともないと思います。入り口からほどなくで飯綱神社の鳥居です。

横浜の高尾山入口

高尾山詣りの集合地点が日本地図の基準点となった?

平成11年の竣工造営という、まだ神々しい白さも損なわれていない鳥居脇に、その石柱は埋まっていました。「大切にしましょう三角点」の国土地理院表記の標柱が目立ちますが、石柱を囲うようにブロックの敷かれたセンターに頭を出しています。一等三角点の旧字体刻印が誇らしげです。横浜市内で唯一の一等三角点は緑区の遺産として登録されています。

日本の正確な地図づくりのために明治政府が全国に三角点を選定したのが1882年。全国で973カ所に及ぶ一等三角点の一つが、この長津田村・高尾山なのです。三角点は一等から四等までありますが、緯度経度を正確に計測する必要から、山の頂上や見晴らしの良いところなどを中心に設置されています。このような理由で登山愛好家の方々は、山頂に立った記念として三角点タッチがひとつの目的となっているのでしょうね。

こちらの高尾山の山名の由来は、どうやら東京の高尾山から拝命したと思われます。一説には、高尾山薬王院での参拝の集合場所であったとも聞き及んでいますが、この三角点が置かれている飯綱神社の説明板からも、その節が裏付けできると思います。東京・高尾山の薬王院にある飯綱大権現を勧請したと由緒板には記載されています。残されている記録からでもすでに1666年には、同神社は勧請されていたようです。

日本武尊の時代から続く感動の丹沢〜奥多摩山塊の眺望

古の方々が「んじゃ、皆の衆、高尾山にお詣りに行くべ」と集まった場所が、明治時代に一等三角点が設置され日本の地図づくりに貢献したというのも、山頂に立つと納得できると思います。山頂から西を望むと絶景が広がります。神奈川県が誇る山岳の丹沢山塊は大山、塔ノ岳、丹沢山、蛭ヶ岳の峰々から北側の三頭山、飛龍山、雲取山の奥多摩山塊の面々が並びます。

ちなみに全国の高尾山を日本武尊の東征軍が辿ったという記録が残っているそうです。正確かどうかはおいといてですが、この高尾山も東征路として記録に残っているようです。古代から絶景の地として認められていたと思うと感慨深い標高100mの丘ですね。別名高尾暮雪と呼ばれています。ベンチも置かれているので休憩にも適しています。

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