奈良盆地の東側、三重県にほど近い宇陀地区。縄文時代から人が住み、『古事記』や『日本書紀』にも記載されている古い歴史を秘めた地です。
そこに、今は稀少な植物となってしまっているササユリがたくさん咲くエリアがあると聞いて、行ってみることにしました。
スタート前に道の駅で腹ごしらえと行動食を調達
大阪の難波から近鉄大阪線で約1時間。三本松という駅で降りて、まずはすぐ近くの道の駅に立ち寄ります。駅から国道165号に降りると、道路の向かい側にある道の駅「宇陀路室生」。
地元産のでっち羊羹や草餅など、行動食にぴったりのものがいろいろ。また、薬草の町である宇陀市で採れた「大和当帰」という薬草を使った入浴剤や加工品、大和茶、本葛など、地元の特産品もあります。歩く前から買いたいものばかりで困ります。
こちらでは、和風のレストランも併設されていて、大和茶粥などのご当地グルメも味わえるみたい。お昼ごはんに何を食べようかなとメニューを見ていると「日本最古のうどん」という文字を発見。
奈良市にある春日大社の古文書から、日本最古のうどんといわれる「餺飥(かすがはくたく)」に関する文献が発見され、それを再現したものだそう。
幅が広すぎるきしめんのような麺で、氷水に浮かべてあるのを、つゆにつけていただきます。奈良の特産品、本葛が使われているとかで、つるんとした食感が美味しかったです。
神秘的な滝を眺めて里山の道へ
おなかも満たされて、おやつもしっかりと仕入れたら、いよいよハイキングへ。
まずは、民家が点在する里と、山の境目にある青葉寺というお寺を目指します。せせらぎに沿った道をたどって行くと、爽やかな滝の音が聞こえてきました。
お寺の奥之院のような感じで、滝のわきにお堂が建てられていました。ひっそりとした佇まいと、滝からのひんやりとした風が心地よく、癒されるスポットです。
滝から上流へ、沢沿いの踏み跡をたどって、深い森の中を登っていきます。小一時間ほど歩くと、開けた場所へ出ました。
梅雨時でもあり、しとしとと雨が降っていたのですが、日本の原風景という感じの山里の風景には、静かな雨が似合うような気がします。
稲が育ち始めている緑の棚田はとても美しく、こういう風景をずっと残してほしいものだと思いました。