二番山頂は大菩薩山塊の主軸をなす小金沢山と牛奥ノ雁ヶ腹摺山の2座になります。小金沢山は秀麗富嶽十二景の全20座のなかで唯一の標高2000m超え。牛奥ノ雁ヶ腹摺山(うしおくのがんがはらすりやま)は日本一長い山名として親しまれ、いずれも低山であってもスケール感の高いイメージを抱えて人気の2座です。その頂から望む富士は、蒼穹に凛々しい十二単をまとった絶世の美女です。
人気の山に挟まれた美味しいところ取りの秀峰
小金沢山は大菩薩嶺と牛奥ノ雁ヶ腹摺山という人気者を両手に花の山ですが、その山頂からの秀麗富士山の眺望は引けをとることのない素晴らしさを誇ります。山梨県の山々は大きく分けて南アルプス山系、八ヶ岳山系、富士・御坂山系、そして大菩薩・道志山系の4山系に分類されます。秀麗富嶽十二景の山々はすべて4つ目の大菩薩・道志山系に属していますが、小金沢山は筆頭の大菩薩嶺を支える大番頭のような存在に思えます。
山頂は大きく開け、富士山の伸びやかで末広がりの山容を堪能できます。その雄大さを担保するあたり、さすが大番頭の裁量と思わずにいられません。ま、そんな余計なことは考えずに、じっくり眺望を楽しみましょう。