春になると、至る所にたくさん生えてくるカラスノエンドウ。どこにでもあるありふれた〝雑草〟のため、種が入った鞘の両側を取り、笛のようにブーブー鳴らして遊んだという人も多いのではないでしょうか。しかし有名なカラスノエンドウの影で、ひっそりと同じソラマメ科の「スズメノエンドウ」が咲いている事があるのをご存知でしたか? 今回はそんな二つの植物の違いと、中間にいる草をご紹介します。
食用にもなるカラスノエンドウ
カラスノエンドウは、地中海沿岸地方原産で、本州・四国・九州・沖縄に広く分布し、3月~6月に愛くるしい赤紫色の花をたくさん咲かせるソラマメの仲間。
植物学的局面ではヤハズエンドウ、別名をノエンドウと言います。全草を食べることができ、若い鞘も茹でて食べたり、葉を干してお茶にすることもあります。
なぜカラスというのかといえば、鞘が熟すとカラスのように真っ黒になるためこの名前が付きました。
このカラスノエンドウより一回り小さいのがスズメノエンドウ。花はカラスノエンドウが赤紫の10~18mmほどの花をつけるのに対し、スズメノエンドウは4月~6月に白い中に淡紫色が入る3〜4mmほどの花を咲かせます。こちらはヨーロッパ原産の植物で、全草を食用にできます。
両方とも食べられるそうなので調べてみたところ、スズメのエンドウは、カラスノエンドウのように美味しくないという意見があったので、今回記事化にあたり両方食べてみましたが、カラスのエンドウは豆科特有の甘さのある生のサヤエンドウに近い味でした。対してスズメノエンドウはさほど美味しくなく草っぽい味しかしませんでした。
2つの植物の見分けかたは?
全体的にカラスノエンドウより小ぶりのスズメノエンドウは葉も小さくほっそりとしているだけではなく、タネが入った鞘も、カラスノエンドウが5〜10個ほどの種が入った3~5mmの鞘をつけます。
スズメノエンドウは2個しか種が入らない1cmほどの鞘をつけます。
しかし、小さいながらも身が熟すと真っ黒になります。