一見、無縁とも思えるキャンプと恋。でも、実はキャンプには恋愛が芽生えたり、二人の距離が縮まったりする要素が満載です。とくに、大自然のなかでともに感動体験を共有すると、二人の仲がグッと近づきます。そのメカニズムについて、人間関係や恋愛の心理に詳しい専門家・晴香葉子先生にお聞きしました。

大自然のなかでともに感動を体験

キャンプの醍醐味は、なんといっても大自然のなかで過ごす清々しさ、爽快感です。普段、都会の生活では味わえない澄んだ空気や鳥のさえずりなどに触れることで、日頃の嫌なことを忘れ、心もオープンになり、心身がリフレッシュされます。事実、自然に触れることはストレスを軽減させる「ストレスコーピング」の効果的な方法の一つです。

そういう心身ともに良好な状態で、気になる相手とともに過ごす時間はまた格別です。非日常的な環境は心を解放させますし、太陽の光を浴びると「幸せホルモン」が分泌されやすくなります。慣れていない作業に緊張することもあるかもしれませんが、そのような緊張感も新鮮さやワクワク感に転じることができます。

人は大自然のなかで、みんなで作ったご飯を食べたり、焚き火を囲んだり、満点の星を眺めたりすることによって、最高の感動を味わう「ピークエクスペリエンス（至高体験）」も得やすくなります。

これは、感動的な映画やスポーツの試合などを見たときに感動して涙が出るのと似たような状態で、明日への活力や希望のもとになるとされています。

こうした感動をともに体験することは、二人の距離をグッと近づけたり、絆を感じさせたりするのに役立ちます。私たちには、「確証」を求めるという傾向もあるので、できれば帰り際に、「楽しかったね」「参加してよかった」などと、きちんと言葉に出して言うようにすると、喜びが増幅され、より効果的です。