北アルプス登山の便利な拠点として、登山者の間で人気が高い平湯温泉。

長野県の松本と、岐阜県の高山を結ぶ交通の要衝にあたり、首都圏からも関西方面からもアクセスがよい立地です。とくに、新宿から高速バスが運行されているので、東京方面からは訪れやすい場所となっています。

バスターミナルに隣接して、日帰り温泉施設「ひらゆの森」があるので、登山の前後に温泉に入れるのも魅力。

今回は、平湯温泉にあるキャンプ場をベースとして、「乗鞍山麓五色ヶ原の森」でトレッキングを楽しむ山旅をご紹介します。

手軽なショートコースで、この布引の滝が見られるのが「雌池布引滝コース」です。所要約2時間、距離は約2km。午前中だけで完結するので、移動日などにもいいかもしれません。

案内センターでガイドさんと合流

入山口の案内センターに朝8時50分集合。平湯温泉から、クルマで約15分、濃飛バスの高山行きなら、「五色ヶ原入山口」バス停で下車します。

チェックインを済ませ、簡単なガイダンスを受けたのち、専用の送迎車で起点となる「出合い小屋」まで移動。五色ヶ原の森でも、かなり奥地にあるエリアです。

「乗鞍山麓五色ヶ原の森」とは、中部山岳国立公園の一部で、乗鞍岳の北西山麓に広がる約3000ヘクタールの森。日本ナショナルトラスト保護指定地区であり、自然保護と利用の両立を図るため、地元自治体である高山市の条例によって利用規制を実施している先進的事例。一日当たりの利用人数を制限し、現地の自然や歴史に精通した「森の案内人（認定ガイド）」と同行でなければ入山できないという特別なエリアなのです。

所要8時間の3コースと、半日程度で歩けるショートコース3コースが用意されており、興味や体力に応じて選ぶことができます（事前予約制）。

出合い小屋があるのは、標高1410m地点。朝の空気がひんやりと心地よい森です。小屋には、清潔で快適なバイオトイレも設置されています。歩く準備を整え、いざ出発。