登山やキャンプに出かけるとき、どんな服装にしようかと悩んでしまう人も少なくないでしょう。とくに寒暖差が大きい時期は、活動中に暑くなったり、寒くなったりするため、その時々での対応が難しいものです。そこでアウトドアで行動するときの服装の基本が、「レイヤリング」です。これは重ね着のことで、服を脱いだり着たりして暑さや寒さに対応するものです。
では、実際に何を揃えたらいいか、どのように活用したらいいかを、登山好きのショップ店員、石井スポーツの栗山大輔さんに伺いました。
3~4枚の重ね着でコントロールする
レイヤリングのメリットは、暖かくなって体が温まってきたら1枚脱ぐ、寒くなったら1枚着るといったように、アウトドアでの活動中に服装を調整しやすいところです。レイヤリングは、一般的に「ベースレイヤー」「ミドルレイヤー」「アウターレイヤー」という3層で言い表されます。さらに、「インナー」を含めた4層という考え方もあります。
大まかに言うと、インナーやベースレイヤーは肌着やシャツ、ミドルレイヤーは保温着、アウターレイヤーは上着です。「これらの組み合わせや足し引きで、常に快適な状態を作るのがレイヤリングの考え方です」(栗山さん)

汗っかきの人はインナーを着たほうがいい
では、インナー、ベースレイヤー、ミドルレイヤー、アウターレイヤーは、それぞれどんなものを用意したらいいでしょうか。
まず、インナーについて栗山さんは、「肌に直接触れるウェアのため、吸湿性や速乾性などが求められます」と言います。つまり、素材が重要になりますが、暖かさをアピールしていても汗が蒸発しにくいタイプのウェアもあるため、「快適性や安心感を求めるなら、登山メーカーのウェアを選ぶといいでしょう」(栗山さん)

ベースレイヤーは、「簡単に言うとTシャツのようなものです。素材は化繊やウールなどさまざまありますが、問題となるのは、インナーと重ね着したときにもこもこしてしまう場合があることです」(栗山さん)
そのため、インナーとベースはひとつのものと考えて、1枚のシャツでまかなう人も多いそうです。ただし、「汗っかきの人は、インナーを着たほうがいいと思います。インナーが汗を受けてワンクッションとなり、そしてベースレイヤーに汗を渡すために乾きが促進されるからです」(栗山さん)

ミドルレイヤーは季節に合わせてセレクト
ベースレイヤーの上に着るのがミドルレイヤーで、フリース系などと呼ばれています。各社がさまざまな工夫を凝らしていて、「最近は『アクティブインサレーション』という〝乾きがよくて保温もする素材〟が話題になっています。保温力をキープしながらも汗や水に強いのが魅力です」(栗山さん)
このほか、表面の毛足の長さを変えたり、素材の厚みを変えたりなど、さまざまな種類が登場しています。「保温に加えて、製品によっては防風の効果もあるので、通常の登山ではミドルレイヤーまでで行動するケースが多いです」(栗山さん)

そして、一番外側になるアウターレイヤーは、レインウェアやウインドジャケットなどが該当します。こちらもいろいろな種類があって、天候や用途などによってセレクトすることになります。

寒い季節にはアウターが必須になりますが、温暖な季節のアウター選びには工夫が必要だと栗山さんは言います。「例えば、レインウェアは持っていると安心ですが蒸れることもあるので、雨が降りそうにないならウインドジャケットや、雨も防いで風も防げるようなUL(ウルトラライト)思考のウェアにすれば、荷物の負担も減らせます」(栗山さん)。
ちなみに、栗山さんは荷物が増えても苦にならないそうで、複数の上着を持っていくことも多いそうです。