アウトドアでの寒暖差を乗り切るにはさまざまな対策が必要ですが、とくに夜は冷え込むので、寝るときの寒さ対策が欠かせません。
大切なのは、寒さにもしっかり対応できるシュラフとスリーピングマットを用意すること。それぞれのスペックを理解して、正しく選ぶことです。そこで選び方のポイントを、登山好きのショップ店員、石井スポーツの栗山大輔さんに教えていただきました。
寒さに強いシュラフと断熱性の高いマットを使う
シュラフについては、暖かい季節にだけ出かけるのであればあまり意識する必要はありませんが、「オールシーズン使うなら、寒さにもしっかりと対応できるシュラフを選ぶ必要があります」(栗山さん)
また、見過ごしがちですが、スリーピングマット選びも重要です。「シュラフの能力を十分に発揮させるには、マットによる断熱が不可欠だからです」(栗山さん)
では、それぞれ選ぶときにチェックするべきポイントはどこでしょうか。栗山さんは、「とくに、シュラフは対応温度とフィルパワー、マットはR値です」と教えてくれました。


シュラフは「快適温度」と「使用可能温度」をチェック
「寒さ対策を意識してシュラフを選ぶときは、『快適温度(コンフォート)』と『使用可能温度(リミット)』をチェックしましょう」(栗山さん)。前者は、シュラフの中でリラックスして寝られる温度を表し、後者は、一般的な成人男性が耐えられるとされる温度を表しています。
「とくに注目すべきは使用可能温度で、春から秋の3シーズンで使うなら−5℃~−10℃程度、オールシーズン使うなら−13℃~マイナス15℃程度のものを選ぶのがおすすめです」(栗山さん)

ダウンの性能を表す「フィルパワー」
もうひとつ、シュラフ選びで大切なのが「フィルパワー」です。これは、シュラフに使われているダウンの〝かさの高さ〟を表すもので、FPという単位で使われます。
フィルパワーの値が大きいほど品質が高く、軽くてコンパクトになります。「例えば、650FPと800FPを同じ厚みにしたとき、800FPのほうが軽量で、コンパクトに畳めます」(栗山さん)。ちなみに、700FP以上が高品質と言われていますが、「フィルパワーの値が高いから暖かい、ということではないので注意してください」(栗山さん)
マットは断熱性能を表すR値が重要
性能の高いシュラフを用意したら、下に敷くスリーピングマットもしっかりと選びましょう。「シュラフが暖かくても背中から冷気が伝わってきては意味がありませんから、しっかりとガードしたいですね」(栗山さん)
そこで着目すべきスペックが「R値」で、この数値が大きいほど断熱性が高いことを示しています。「店頭ではR値の目安をパネルで掲示していますが、ご覧のとおり、R4くらいから上が寒さ対策に向いています」(栗山さん)。シュラフの使用可能温度とマットのR値をチェックして、これらの組み合わせで、寒さに対処していくことが大切です。
