故・黒川紀章氏設計のカプセルをトレーラーとして再生
今回、ここでピックアップするのはTHD(トレーラーハウスデベロップメント株式会社)が扱う「CLT CAPSULE 2024」。先に紹介した牽引式キャンピングカーの仲間であるトレーラーハウスであり、移動式の別荘と言っても過言ではありません。同モデルは“建物マニア“には垂涎の『中銀カプセルタワービル』をインスパイアしたもので、特徴的な丸窓やセパレート型のボックスデザインが目を引きます。

本家の中銀カプセルタワービルは1972年に建築家である故・黒川紀章氏の設計により銀座に登場した都心型の分譲マンションで、ホモ・モーベンス(移動しながら働き暮らす人)のセカンドハウス、ホテル、オフィスとして販売されました。残念なことに2022年には老朽化のために解体されてしまいましたが、解体されたカプセルの一部は移動式のトレーラーとして再生され、2024年にはその意匠を受け継ぐトレーラーハウスとして「CLT CAPSULE 2024」が誕生したのです。

このCLTとは直交集成板を意味し、建設時のCO2排出量削減や森林保全に繋がるとともに従来の木造に比べて断熱性、耐火性、耐久性、遮音性に優れ、6枚のCLTパネルを合わせるプレハブ工法により約2時間で組み立て作業が完成すると言われています。
SDGsにも貢献するCLTカプセル2024
かつての中銀カプセルタワービルは白い内装が特徴的で、当時の最先端であったテレビ、ステレオ、電話機が装備されていました。そのイメージを受け継ぐ内装は白を基調に木目を活かしたもので、ベッドやテーブル、ワークデスク、拡張型スツール、シンクなどを装備。部屋のサイズは長さ394cm×幅234cm×高さ234cmとなり、別荘感覚で使用するには十分なスペースが与えられています。

一般的なキャンピングトレーラーとはひと味違う近未来感漂う室内は、グランピングの拠点や遊びのベース基地として魅力的な存在になりそうです。