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リスキーな垂直岩壁の「四阿屋山」登山! 秩父が誇る鋭鋒でセツブンソウとフクジュソウの群生を愛でる

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秩父・小鹿野町にある四阿屋山(あずまやさん)は低山でありながら、一部にはヘルメット着用で登る登山者もいます。それほどにこの山の絶壁はつとに知られています。一方で、初春には地元小鹿野町にはセツブンソウの群生地で小さく可憐な花をめぐるハイカーも多く訪れます。山中にはフクジュソウとロウバイの園もあります。白と黄色の花めぐりと峻険な岩峰からの絶景が楽しめます。

秩父の名峰は麓の道の駅から入山

四阿屋山は奥秩父両神山から派生する尾根のピークで標高771.6mです。一帯は両神国民休養地として整備された公園で、園内にはロウバイ園が設えられるなど、登山者のみならず観光客も多く訪れます。

麓のそんな緩い雰囲気とは違い四阿屋山は、その標高からは想像つかない険しい岩壁で知られています。登山コースは複数ありますが、多くの登山者は道の駅両神温泉薬師の湯をベースにするようです。同駅にはハイカー用駐車場を駅舎駐車場とは別に用意するなど、登山者に手厚い対応をしてくれています。

同駅からは薬師コースと桜本コースの2ルートがあります。おそらくこの2本がベーシックルートかと思います。いずれも休憩所のある山居へ道は続きます。また、同駅には西武鉄道・西武秩父駅から小鹿野町営バスで黒橋及び大堤バス停での下車で、それぞれ押留コース、つつじ新道で山頂を目指すことができますが、白眉は後者のつつじ新道です。

新道からの四阿屋山の岩壁はスリルと緊張の連続

登山口から早々に本コースが危険なクサリ場のある上級者向きコースであることを伝えています。もちろん登山口からの急登から尾根途中にも、初級者向けにクサリ場の注意喚起と、同ルートに比べて比較的難度の低い山居への迂回を促しています。

じつは迂回路とされる山居から山頂へのルートも途中の展望休憩所から先は意外にハード。急登階段は意外にシビアなストレスとなって両脚を攻めます。

それでも迂回せよの指示が出るのは、そのクサリ場がリスキーな壁なのです。垂直かと錯覚するほどの厳しい傾斜の岩壁です。キャリアの浅いハイカーさんには、この山を練習台とするのは正直オススメできかねます。迂回路へ回るのも勇気のある選択だと思います。

山頂は正直狭いです。ただ奥秩父の名峰の両神山の偉容を眺望できます。ギザギザの鋭い山容は、おそらく自身が立つ四阿屋山の比ではないですね。