神奈川県の最高峰は丹沢山塊の最高峰でもある標高1673mの蛭ヶ岳(ひるがたけ)。丹沢最大の登山口となる大倉登山口からの大倉尾根をはじめ、道志側を走る東海自然歩道に加え、西丹沢VC(ビジターセンター)からのゴーラ沢か用木沢を渡る縦走ルートや、塩水橋ルートや札掛からの長尾尾根に、宮ヶ瀬からの丹沢三峰ルートなど主要ルートだけでも片手で収まりきらないアプローチを選べます。人気の蛭ヶ岳での冬の小屋泊は、美しき映像を切り取ることができます。
檜洞丸からの縦走で丹沢最高峰へ
蛭ヶ岳をはじめとする丹沢の山々へのルートは先述のように豊富に選べること。前回と今回とは手を変え品を変えのノリでリピートできるのがうれしいですね。なんとなく蛭ヶ岳を中心に置くと、すべての道がそこに集約されているかと思えるほどです。
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1年を通して登山ファンを惹きつけて止まない同山は、山頂からの富士山の眺望であり、山頂の蛭ヶ岳山荘泊ができれば、星空の下で横浜〜東京の夜景も堪能できます。今回、西丹沢VCからゴーラ沢を渡渉し、ツツジ新道をつたい檜洞丸(ひのきぼらまる)〜臼ヶ岳を超え、蛭ヶ岳山頂を踏むルートを選びます。
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ツツジ新道は昨年6月に西丹沢開山祭でレポートしましたが、シロヤシオの季節は木道で渋滞が起きるほど人気のルート。その時期には木道両脇はバイケイソウの鮮やかな緑一色に染まります。この時期の登山道は、春を迎える冬支度で登山者には愛想も見せませんが……。
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檜洞丸から金山谷乗越〜神ノ川乗越経由臼ヶ岳を通過
標高1601mの檜洞丸山頂からは、西側尾根の犬越路から富士山の秀麗な裾広がりの姿を捉えることができます。青ヶ岳山荘寄りからは最高峰の蛭ヶ岳。そして丹沢山〜塔ノ岳の表尾根を追いかけることができ、蛭ヶ岳まで4.6kmのコースは上級者コースとされています。
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青ヶ岳山荘から下り、ヤセ尾根〜丹沢名物木段の登り下りを経て金山谷乗越、神ノ川(かんのがわ)乗越。そして臼ヶ岳に踏み入り、蛭ヶ岳手前で同ルート上の難所のクサリ場を迎えます。
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石畳のフラットな場所に飛び出れば、そこは蛭ヶ岳ならではの山頂風景です。臼ヶ岳からの登山者には、さながらビクトリーロードで迎えてくれる演出が嬉しいですね。
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山頂標柱も昨年から新調されています。以前の風雪にさらされ続け、やつれた標識も味わいはありましたが、その旧標識は山小屋の丹沢山側入口に建て替えられていました。こうして見ると結構深く埋め込まれていたのがわかりますね。
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