登山好きからリスペクトを集める「歩荷」という職業を知っていますか? 読み方は「ぼっか」。山岳などの難所において、人が背中に荷物を背負って徒歩で運搬する仕事です。登山をしたことがある人なら、「重い荷物を背負って山を登る」ことの大変さは身に染みて共感できるはず。この大変な仕事をおこなう「歩荷」という職業について、詳しく紹介しましょう。
山小屋にとってなくてはならない歩荷の活躍
歩荷は、背中に背負子をつけ、箱詰めした荷物を何段にも重ねて運搬します。その後ろ姿が荷物が歩いているように見えるため、歩荷と呼ばれるようになったそう。
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主には山小屋などに水や食料を届けるために活躍していますが、それ以外にもトイレ汚水処理用のタンクやプロパン燃料など、山で必要なあらゆる物資を届けています。歩荷が山小屋の利用を可能にしているといっても過言ではありませんね。
重労働でも魅力たっぷりな歩荷という仕事
一般的な登山の際の荷物の重量は、体重の10~15%が適切とされています。つまり、体重60キロの人なら6~9キロ程度ということ。しかし、歩荷の運ぶ荷物の重量は、軽くても30キロ程度であり、70~80キロが平均だそう。なかには100キロを超える荷物を運んで登山する場合もあるというから驚きです。
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ベテランの中には、この重労働ともいえる仕事を10年以上続けている人も。シンプルな運送方法である一方で、並外れた重さを背負って歩くには相応の技や知恵が必要となります。そこが歩荷の1つでもあるようです。