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“サメの歯”の異名を持つ飯能アルプス! 人気登山アニメの主舞台「天覧山」から「多峰主山」を飛び越える大縦走を歩く

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人気登山アニメといえば「ヤマノススメ」一択で間違いないかと思います。イラストレーターのしろサンが描く人気漫画アニメは、ともに発表からすでに10年以上続いているロングシリーズですが、何より登場人物の女子高生たちの主舞台が埼玉県飯能市であり、登山の舞台はみなさんが登るリアルな山々ということもあり、より親しみを感じる作品群です。でもJKの登山としては「サメの歯」の異名を持つハードなルートでもあります。

JKに愛され、アトムが見守り、天皇御登攀の天覧山

天覧山は標高195mの低山ですが、むしろ丘というのがふさわしげでもあります。コースは整備され、とても歩きやすくスニーカーでも問題ないくらいです。天覧山中段までは舗装路を伝います。天覧山中段には、同ルート上唯一のトイレがあります。

天覧山はかつては麓で愛宕権現を祀っていたことから、愛宕山と呼ばれていたそうです。それが徳川の時代に羅漢寺の呼称となり、明治時代に天皇が山頂から陸軍演習を統監されたことから、天覧山と呼ばれるようになったそうです。フェンスのある山頂には行幸記念碑が建っています。

明治天皇が山頂にお立ちになった丘ですが、流石の眺望です。丘レベルを超えています。飯能市街はもちろん、奥多摩や丹沢の山々から遠くは富士山の白い頂まで望むことができる絶景スポットです。麓から20分。かかったとしても30分程度でしょうか。じつは能仁寺で標高110mを超えています。

ちなみに天覧山の飯能駅寄りの麓に建つ能仁寺前の公園には鉄腕アトムの像が立っています。1983年に地元青年会議所が10周年記念事業として建てられた世界で唯一の銅像だそうです。落成式には生みの親・故手塚先生もお越しになったそうです。天覧山はアトムも見守る山なのですね。

多峰主山への道からサメの歯の本性がむき出しになる!

天覧山からの眺望を堪能して、西に峰を繋げる多峰主山(とうのすやま・標高271m)のピークを狙います。一度丘を下りきり、ここでは義経の母常盤御前の伝説が残る階段坂の見返り坂を昇り、子供用クサリ場と呼ばれるプチ急登を登った先に山頂があります。

ちなみに多峰主山へのルートは複数あり、水が枯れることはないと言われる雨乞池からのルートなど、多峰主山を軸に谷と尾根が複雑に交錯する山であることがわかります。

山麓から1時間少々の山頂は意外に広く、テーブルやベンチが置かれ、天覧山でまったり時間は早いと思うハイカーには前半の絶好の休憩地です。ここからも奥多摩や奥武蔵、そして富士山を眺望することができます。