兵庫県三田(さんだ)市にある羽束山(はつかやま/はつかさん)は、平安時代から和歌に詠まれた名所で、山頂に千手観音を祀る観音信仰の山として古来敬われてきました。丹波修験道の霊場でもあり、『太平記』にはこの山に城が築かれて播磨路を押さえていたという記述もあります。今は訪れる人も少ない静かな山ですが、いろいろな歴史を秘めているんです。
地元では「クジラ山」と親しまれるランドマーク
主峰の羽束山(524m)は山頂部が丸い形をしていて、南側には山頂部がとんがった甚五郎岳(430m)が突き出すようにくっつき、三田の市街地あたりから見ると、まるで巨大なクジラのような姿をしています。
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北西側には宰相ヶ岳(さいしょうがたけ・標高500.4m)もあり、合わせて「羽束三山」と呼ばれています。ぐるりと周回すると3時間くらいのほどよい里山ハイキングが楽しめます。
登山口には、香下寺(こうげじ)と八王子神社があり、その脇から石段の登山道が始まります。
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まずは神社にご挨拶してから登山道へ。歩きやすく整備されていますが、甚五郎岳とのコル(鞍部)まではかなりの急登。
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ところどころに丁石が建っていて励みになります。コルは平らな休憩適地になっていて、石仏が祀られています。甚五郎岳までは往復15分程度です。
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途中にも祠があったり、丁石があったり。古くから歩かれてきたことが伺える道が続きます。
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登り詰めた山上部は比較的なだらかな地形で、北寄りに観音堂がひっそりと佇んでいます。不自然に平らな場所なので、もしかするとかつてここに城の建物があったのかも。
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その南側の、一番高いところに建っているのが羽束神社です。
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独立山塊ならではのビュースポットが次々に
お社の前を少し南へ進むと、最初のビュースポットがあります。南西側に眺望が開けていて、左手には六甲山地、正面は明石海峡の西側付近。空気が澄んでいる日には播磨灘に浮かぶ小豆島も見えるはず……。今日もうっすら見えてるかな。
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山頂からの景色を楽しんだら、北西側へいったん下って、三山最後の宰相ヶ岳へと登り返します。かなり急な登り下りです。宰相ヶ岳の山頂では、今度は北側の眺望が開けていて、北摂から丹波地方にかけての山並みが一望できます。
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山頂から少し西側へ。メインの登山道をそれて、かすかな踏み跡を辿ると、知る人ぞ知るビュースポットがあります。こちらは、西向きに眺望が開けた大きな岩の上。有馬富士公園方面と、三田市の郊外が一望できます。
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さて、メインの登山道に戻り、南側に伸びる尾根から山麓を目指して下っていきます。山頂部の東側には、先ほど登った羽束山の丸い山頂部がすぐ近くに見えます。
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