ハイライトは海まで見える西側の絶景!
古寺山は、山全体が深い樹林に覆われているため、眺望スポットがあまりありません。しかも、六甲山地の北側エリアなので、どこからでも海が見下ろせる南斜面とは異なり、地味な印象はぬぐえません。しかし、山頂から50歩ほど西側へ下ったポイントは、なかなかの絶景スポットなんです。
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眼下にはこの山腹をうがって西側へ抜けている阪神高速7号北神戸線、その右手には花山から谷上(たにがみ)にかけての住宅地、その背後は丹生(たんじょう/みぶ)山地の山並みです。
遠いので少しわかりにくいのですが、正面奥には播磨灘の海が見えていて、その先に小豆島の巨大な島影が遠望できます。その右手には家島(いえしま)諸島の島々も。この日はそんなにすっきり晴れた天気ではなかったのですが、案外遠くまで景色が見えて楽しかったです。
さて、山頂をあとに、北側へと下っていきます。山頂から南東側へ少し下ったあたりには、まばらに木が生えている平らな場所があります。かつてはここに「本堂跡」と書かれた札が立っていた記憶があります。
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この山は、山城跡のような雰囲気で、あちこちに不自然な平地が点在しています。たぶんお堂や宿坊が建ち並んでいたのだろうと思われます。大きな寺があったとはとても思えない静かな山なのですが、往時にはたくさんの僧侶やお参りの人々で賑わったのでしょう。そう思うと、山全体がちょっともの哀しいたたずまいに見えてくるから不思議です。
六甲山といえば半分観光地みたいなもので、景色がよくてメジャーな山、というイメージをもっている人も多いと思うのですが、じつは歴史の古いエリアもあり、人の少ない静かなコースもたくさんあります。歴史ロマンや静けさをゆったりと楽しめる北側エリア、意外な魅力が秘められていて、けっこう好きです。